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マイナンバー制度導入については3党合意される見通しだといいます。税の徴収や社会保障給付の公平性を高めるために導入するという主旨はいいと思うのですが、ICカードの発行と聞いただけで、それってどうなのよと感じてしまいます。高く付くのではないかと感じてしまいます。
いまの税の徴収については「取りやすいところから取る」ことになっているので、ターゲットは、所得が補足しやすい給与所得者です。それを是正するのは結構なことです。年金でもそうです。給与所得者は確か70歳まで厚生年金保険は徴収されるはずですが、テレビに出演していくら高額なギャラを稼いでいる人でも、給与所得でなければ60歳以上は徴収されません。
「取りにくいところからは取らず、取りやすいところから取る」というのは公平性で著しく欠陥があります。

しかも、「取りやすいところから取る」だけでなく、源泉徴収という制度は、事業者に税金を徴収する仕事を負担させているわけで、「取りやすいところに、徴収業務まで強いる」制度です。おかしな話です。たとえば給油サービスのあるガソリンスタンドよりも、セルフのスタンドの価格が高いとか、IKEAで、同じ家具でも、すでに組立されている家具よりもユーザーが組み立てる家具のほうが高いというのと同じ事です。

また生活保護の不正受給も問題になりました。社会保険庁の年金管理についても、過去のいい加減な管理のツケがまわって、突合にも莫大な費用がかかってしまいました。

だからマイナンバー制度で税負担や給付の公平性をというのはいいのですが、ほんとうに大丈夫かと疑ってしまいます。そんな仕組みをつくる、あるいはつくらせる能力が官僚にあるのか、馬鹿高いシステムにならないか、その仕組について評価する能力が政治家にあるのかと考えるとなにかゾッとします。

ご記憶ですか、社会保険庁の年金での過去のデータとの突合問題で、当時は自民党政権でしたが、自民党議員の人がテレビ番組で、3ヶ月でできると豪語していたのを思い出します。ネットで、システム構築に知識のある人たちからは、それはありえないという意見が多数流れていました。つまり頭だけで考えていて、情報システムについては「土地カン」も知識もないことを証明してしまいました。

なにがなんでもマイナンバー、あるいは国民IDという仕組みに反対というのではなく、企画、設計、また管理する能力のない官僚に深く関与させては、かえってシステム構築にも、またその後の運営でも高額なものになり、また個人情報の保護の視点からも危なっかしいと感じるのです。

どうせ官僚の都合を優先した、お化けのような上から目線の仕組みとなってしまいそうです。

マイナンバーをつける、あるいは国民IDを持つことは問題がとくに無いとは思います。実際運転免許証にしても銀行口座にしても、カード決済にしても、今やIDを持つことは当たり前になりました。あとはそういったことに慣れていない、あるいは利用できない人たちをどうフォローすればいいかだけの問題です。

木走正水(きばしりまさみず)さんがブログで書かれているスタンスとほぼ同じです。マイナンバーそのものについてはこう書かれています。

少し長くなりましたが、私がここで主張したかった第一点は、人間を番号化して管理する行為自体は善悪で語るべき事象ではそもそもはない、「出席番号」や「社員コード」と同様、それ自体に功罪はないという基本的な事実です。

しかし結論としてこう結ばれています。
私はIT技術者としてマイナンバー制度は、総論として賛成なのですが、今の日本政府及び行政にそれを正しく管理する能力及び姿勢があるのか、その点を大きく危惧しています。

日経編集委員の大林尚氏による記事で、日本生産性本部が組織する共通番号推進協議会(代表・北川正恭早稲田大教授)が、経済効果の推計を試み、一兆円の経済効果を生むという試算を紹介していますが、官僚は、仕事を増やす習性があるので、どんどん欲張ったシステムをつくろうとするのではないかと案じてしまいます。野田総理の方針「番号制は小さく産んで大きく育てる」ということになるのでしょうか。官僚をコントロールする政権の強さはもはやありません。

その点について、元グーグル日本法人社長兼米本社副社長の村上憲郎氏も、日経の「村上憲郎のグローバル羅針盤」でやはり懸念を表明されています。
もちろん、それが「どうせ」「ついでに」実現できるほどのものであるならば、おやりになれば良かろう。しかし、それを実現するとなると、そのITシステムは、極めて複雑で、本来であれば必要のないシステムの導入が必要とされ、結果として多額の税金が不必要に投入される危険性がある。
なぜこのように問題だらけの検討が進んでしまうのだろうか。その原因はICTに詳しい人材・組織によるガバナンスが政府組織や政治家の中に存在しないことにある。
 つまり、マイナンバー制度を実現するにあたり、何が本当に必要なシステムであり、何が不必要なシステムかを判断できる責任者がいないのである。
 この“ムダ構造”をわかりにくくしているのは、実は法案そのものからはこういった無駄なシステム投資の検討が見えてこないことにある。
必要にかられてものを作るのではなく、まずものを作りたいという発想でなんとか必要性を作りだし、システム投資をしようとしている。

これまでの政府が考え構築したシステムはe-Taxにしてもそうですが、失敗の歴史です。ユーザーの使いやすさへの視点もなければ、頭で描いて、コスト意識もなく、考えられないほど馬鹿高い開発費や維持費を支払っていると言われています。
マイナンバー制度やシステムについては、官僚の協力は得るとしても、発注者にはしないで、内閣直轄で第三者の専門家によって基本構想をまとめ、参加者無制限でコンペを行い、民間から広くアイデアを集めればどうかと感じます。

昨日閣議決定され公表された「日本再生計画」にざっと目を通したところですが、なにか優等生の限界というか、今ひとつ心に響くものを感じません。こちらはなにがストレスを感じさせているのか、もうすこし読み込んでみようと思います。

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