
マイクロソフトが、これまでのPCメーカーとの協力関係を危うくしかねない自社ブランドのタブレットSurfaceを年内に発売すると発表し、つづいてGoogleもiPadの半額以下の自社ブランドのタブレットNexus7を7月中旬から米国や英国など4カ国で販売すると発表しました。
伸びつづけPC市場を侵食しはじめたタブレット市場は、およそ三分の二をアップルiPadが占める寡占状況を両社ともなんとか打開したいのでしょう。第二位がGoogleのアンドロイドを搭載したamazonのKindleですが、下流のコンテンツやソフトの販売を抑えているamazonでは、Googleの存在感は小さく、したがってgoogleにとってのビジネスチャンスの領域は狭められた状態です。マイクロソフトはスマートフォン市場も失ったも同然で、このままでは指をくわえてタブレットによってPC市場が侵食されていくのを見守ることになってしまいます。
スマートフォンで、アンドロイドは、OSとハードがバラバラに開発される状態では、なかなかアップルを超えるものに仕上げていくことは難しく、やがてスマートフォン市場が成熟してくると、コモディティ化が進み、アンドロイド勢のなかでの価格競争が起こってきます。しかもアップルに特許を支払い続けている状況はまずいと思うのは当然でしょう。
しかもアンドロイド普及の牽引役はサムスン一社になってきましたが、サムスンのシェアがさらに高まると、サムスンはソフトやコンテンツを売るマーケットまで握りかねません。amazonの場合と同様に、Googleはいつまで経っても広告収入しか得られない状態になってしまいかねないのです。
かつてはHTCと組んで見事に失敗した傷をもつGoogleですが、モトローラ・モビリティの買収を生かせば、アップルにも対抗できることができると踏んでいるのでしょう。GoogleがタブレットNexus7をiPadの半額で発売してくることはその本気度を伺わせます。
ただそれはこのタブレットそのものでの利益を放棄することになります。しかもアンドロイドのタブレットはその価格でしか売れなくなるためにアンドロイドをつかっているハードメーカーがタブレットを放棄するリスクを背負います。ただでさえスマートフォンのアンドロイド勢で利益をあげているのはサムスンしかないのですから。結構一か八かの危なっかしい構図です。
さてマイクロソフトのタブレットSurfaceですが、マイクロソフトにしてみれば、独占に近い状況にある肝心のPCがどんどんやせ細っていくことは、我慢出来ないことです。スマートフォンでも、タブレットでもいまだになんらの成果もあげていない状況では、やがてPCでは、事実上の標準OSであるWindowsのポジションも怪しくなってきます。
おそらくマイクロソフトがタブレットで狙うチャンスがあるとすれば、ビジネス市場に限られてくると思います。一般消費者相手では、いくらハードやOSが良くとも、音楽や書籍などのコンテンツ、またアプリの集積量でアップルやGoogleにいまから対抗するのは困難です。しかもXboxの販路しかなく、消費者マーケティングは得意とはいえません。
弊社でやっているようにビジネス向けのサービスを供給する側にとっては、Windowsのタブレットがビジネス市場を押さえてくれることは歓迎ですが、しかし、それでなければならないということでもなく微妙です。よほどビジネス向けとして特化した新しい切り口を提供してくれなければ、各社が横一線となり、シェアの高いiPadが開発でも優先されることになります。
マイクロソフトが行うべきは、おそらくイノベーションの無力化といわれる戦略ではないでしょうか、タブレットSurfaceの価格をamazonやGooleに合わせ、iPadに打撃を与えることです。それでiPadの勢いを減速させるのです。
しかし、それはマイクロソフトにとっても諸刃の剣になってきそうです。それに連動してPC価格のさらなる低下につながり、体力が弱ってきたPCメーカーを痛めつけることになりかねません。
こうやって考えると、果たして売れるかどうかの問題だけでなく、結構危ない綱渡りをGoogleもマイクロソフトもやろうとしていると感じます。もうこの市場は、ハードでは生きていくことができない宣言にもなってきそうです。
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