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国会事故調査委員会などもなにのためにやっているのかがよくわからないものでしたが、昨日公表された東電の事故調査委員会による最終報告書は、事故原因を「想定外の大きさの津波」とする「想定内の結論」の内容でした。しかも、本社と福島第一原発を結ぶテレビ会議の映像は「プライバシーの問題が生じる」として隠匿されてしまっています。何が検討され、どのような意思決定がなされたかがわかる会議の記録は事故対応をめぐって極めて重要にもかかわらずです。想像するに、よほど都合の悪い経営幹部の問題発言があったのではないかとしか考えられません。

問題の核心は、東電がいくら株式会社とはいえ、社会的な役割の大きな公的なインフラ企業でありながら、経営層が、なんの倫理観も責任感もなく問題があったということです。

だからこそ、あれだけの事故を起こし、退避させられ生活を奪われた人びと、風評被害で仕事を失った人びとが多数いても平気で天下りするのでしょう。日本原子力発電が、27日の株主総会で東電の勝俣前会長を会長として選任されるようですが、もう冗談としか思えません。さらに退任した二人の常務が関連会社の社長となりました。清水正孝前社長も東電に燃料を販売する富士石油の社外取締役に就任です。

原発事故は「想定外の津波」が原因であり、自分たちには関係ないと考えているとしか思えません。東電からこういった人びとを受け入れる企業の考え方もよくわかりません。電力ムラは永遠に不滅だと考えているのでしょうか。

そういった東電の無責任な経営者体質は当然社内にも汚染しており、事故調もアリバイづくりになるのは当然のことでした。

政府への責任のなすりつけもありますが、なにかが起こっても不祥事でもない限り、責任を取らなくともよい日本の官僚とタッグマッチをやっていたのだから、互いに熱いものを投げ合う展開となり、極めて教育上もよろしくありません。

「津波想定に結果的に甘さがあり、備えが不十分だった」と言い訳をしていますが、これも国と東電で巨大津波が襲った貞観津波を意図的に無視したという疑いが晴れません。別に専門家でなくとも、ここまで津波が来たという石碑を見ればなにかの対策を考えようとするはずです。つまり故意に対策を行なわなかったとしかいいようがありません。

さらに「米国の原子力規制委員会から経済産業省原子力安全・保安院に15年と19年、大火災や爆発が起きても原子炉冷却能力を維持できる対策を米電力会社に要求していること」(産経)が伝えられていたにもかかわらず、東電側が聞いていなかったとは、なんという貧困な情報収集力かと驚きます。「どっちもどっち」です。


いやはや、事故調が乱立していますが、重要なのは「事実」です。事実に基づいてでなければ本当になにが問題であったのかはわかりません。東電が情報を素直に公開しない、また保安院との間での情報の行き違いがあったとすれば、東電・保安院に対する強制捜査があってもしかるべきではないかと思ってしまいます。捜査ができないとすれば、法律もこういった事態を想定していなかったということでしょうか。

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