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パナソニックが6月下旬に「うるおい美肌空間」をつくる「ナノイー」を搭載した19型の液晶テレビCF5を発売します。日々是マーケティングさんのブログで知りました。

一人暮らしの女性や女性の寝室用のパーソナルテレビですが、まだテレビへのこだわりから抜け切れないのか、おそるおそるつくった感が否めません。この変化球の一投が、魔球となって売れるのか、変化球のつもりが球速不足でキャッチャーにも届かずお笑い劇場で終わるのかが見ものです。
発想を変えたことは評価したいのですが、 残念に感じるのは 切り込み方にエッジが効いていないことです。
「ナノイー搭載のテレビ」ではなく、いっそ「テレビのついた新しいパーソナルケア機器」ぐらいまで行けば、おっ、パナソニックも変わったかと感じるのですが、CF5というネーミングからも、作業服で身を固め、ついつい評論家的なな発言をついしてしいまう社員の皆さまが、なにか新機軸をと悩み、どこかからかアイデアをいただいて製品化したのかとの印象を受けてしまします。
開発やマーケティングのプロデューサー役のリーダーとなる役者がおらず、みんなで会議を重ねて検討していくにつれ、最初はよかったアイデアも無難なところに落ち着き、結果は切れ味を失った陳腐なものになってしまうというのはよくあることです。

このCF5に対して「日々是マーケティング」さんが疑問を投げかけていらっしゃいます。
生活者視点で考えて、テレビに空気清浄機能は本当に必要だろうか?
そのプラス機能で、どれだけの新しい価値が生み出されるのだろう?
しかし視点を変えれば問題をこうたてることもできます。
生活者視点で考えて、パーソナルケアの空気清浄機にテレビ機能は本当に必要だろうか?
そのプラス機能で、どれだけの新しい価値が生み出されるのだろう?
寝室でいろいろ楽しむうちに自然とキレイになる、心も肌も体もリフレッシュできる。そんな空間体験を生み出せる製品として定義すれば、もっとアイデアもでてきそうです。「キレイに見えるテレビ」ではなく、「キレイになれるテレビ」とするだけでも、あともうひと押しの「ケア効果」が体感できる仕掛けが発想できたようにも感じます。

さて、いやまアップルも、グーグルも、サムスンも、ソニーも、さらに台湾、中国のメーカーも、みんなが、ひたひたと近づきつつあるスマートTV時代の先陣を切り、この世界のパイオニアとして一馬身、二馬身の差をつけ、確固たるポジションをつくりたい、あるいはそれをバネに頭角をあらわしたいと虎視眈々と狙っています。IKEAまで参戦してきます。さらにその周辺の企業も動き始めています。そのなかでパナソニックがどのようなポジションをとることができるのかの見通しは限りなく不透明です。

スマートTV時代は、ハードだけでは成り立たず、コンテンツを集積させるプラットフォームを押さえる企業、またコンテンツを供給する企業、番組やコンテンツの選択を「番組表」というアナログ時代の遺物から新しい方法に変える企業、あれこれ多目的化、他機能化したスマートTVをより快適にコントロールする技術開発に成功した企業などが、市場の収穫をごっそりもっていく構図となることはかなり見えはじめてきています。いくら高性能な機能を追求してもハードだけで付加価値をつくることは難しく、ただの「箱」になり、そういった華々しい役者たちが活躍する舞台の縁の下の力持ちとなり、収穫の分け前は貰えそうにありません。
だからパナソニックも新たな生きる道を見出すことが必要になってきています。いっそ家庭用から撤退して、技術蓄積が可能で、それが参入障壁となり、また付加価値ともなる分野に転換するか、テレビそのものへの見方を大きく変えるチャレンジが迫られていることは痛いほど理解できます。

その流れで、空気清浄機つきのテレビがでてきたのだとしたら頑張ってください、どんどん「やってみなはれ」となります。チャレンジし続けるなかで宝石となるアイデアが見つかるかもしれないのですから。

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