人気ブログランキングへ

ビックカメラとコジマの資本提携の舞台裏でなにがあったかのの興味深い記事がでていました。コジマ凋落の足跡が紹介されています。
取締役会で最後まで代表取締役と同時に筆頭株主で、さらに創業家でもある小島会長がこの提携に反対しつづけていたというのです。しかし誰も会長の声を聞いてくれなかったことまでが生々しく伝えられています。この記事を見るとコジマは市場が投げてきた魔球にまどわされ経営判断を誤ってしまい、傷を広げる結果になってしまったことが伺えます。短期的な市場の動きはしばしば経営判断を誤らせる変化球を送ってくるjことがあり、それには細心の注意が必要だという教訓をコジマは残したように感じます。
 
店舗の大型化競争に乗り遅れ、2002年にヤマダ電機に首位の座を譲ったコジマは巻き返しをはかるのですが、古い小型店を抱えたままでは競争に勝てず、リーマンショックが起きた2009年年3月期には上場以来初の経常赤字に陥ります。小島会長は膨らんでいた在庫の削減などの体質改善や、他社との提携の道を探り始めた、そんなさなかに地デジ化や家電エコポイント制度の特需が発生したのです。その駆け込み需要でコジマは最高益をだします。

そのときの認識が決定的になります。

「市場環境が良かったせいもあるが、体質改善も進んだ。独立独歩で十分やっていけるはずだった」として提携話も急速にしぼんでいったというのです。その最高益も家電エコポイント制度が終わり、またアナログ放送終了による液晶テレビ需要の激減でふっとぶ危機がコジマを襲ったのです。

野球で言えば、ストライクゾーンにボールが来た、だから一打大逆転の長打を狙ってバットを振った、しかしボールが急速に落ち、バットは空を切ったのです。結果としてはワンバウンドのフォークボールでした。

こういった判断ミスは経営学の歴史でも取り上げられる問題です。

市場の流れを読む場合には、ふたつの視点が必要になってきます。短期的な市場の変化と長期的な市場の変化です。短期的な変化は気まぐれです。たまたま、地デジ化と家電エコポイント制度による買い替え需要がありました。その需要をうまく取り込んだことと、ほんとうに他の量販店との競争力があるのかは別問題です。買い替え需要を取り込んだことを体質が改善された結果だと認識してしまったのです。家電量販のなかでは、その反動からいちはやく立ち直ったのはケーズデンキでしたが、対照的な結果となってしまいました。
大西 宏のマーケティング・エッセンス : ケーズデンキが「脱・液晶テレビ」シフトに成功し好調 -  : 

市場は生き物であり、しばしば変化球のような風を送ってくることがあります。しかし、それは長続きしません。よほどの成長市場でもない限り、好調の後には不調がやってきます。

液晶テレビのコモディティ化、価格下落が続いていたことは間違いないことです。人口も増えない、所得も伸びない、大きなヒット商品となるものもでてこないなかでは国内の家電市場が伸びることはなく、事業領域を広げるか、小売り業の間で競争力を高めるかしかなかったはずでした。それを判断するためには、市場の構造的な変化の読みや、自社の競争力がいかほどのものかの判断、また自社が生き残る、あるいは勝ち残る独自性をどう築くかの戦略視点が求められます。残念ながら小島会長にはそういった長期を見る視点、戦略的視点が欠けていたことになります。

同じ問題が放送局のビジネスにも起こっています。永江一石さんが、「在京民放テレビキー局、全社が増収、テレビ東京を除く4社が増益」の報道を受け、どう見ても、テレビの視聴率は上がってる感じはしない、しかし広告の出稿は多少増えたという問題を取り上げていらしゃいます。
それは短期的には起こりえることです。なぜならご指摘のように、ネットで広告を見ない人に対しては、いまだにテレビ広告は最強のメディアだということと、広く認知をつくるにはまだテレビ広告が有効だということがあるので、広告費支出が増えれば、放送局にもその恩恵は転がりこんできます。

しかし、このブログで掲載されているグラフは、以前このブログでも紹介しましたが、視聴率以前の問題として、そもそもテレビのスイッチを入れている世帯が減ってきているのです。すでに放送局は斜陽産業化してきた兆候がいくつもでてきているのですが、市場の変化球が送られてくると、まだやっていける、視聴率を稼げば、他局よりも広告を高く売れ、利益がでるという経営なのです。戦略がまったく欠如した近視眼的な経営そのものにはまってしまっています。

どうすればいいかですが、経営者を変えるしかありません。その業界で育った人には、自らが育った業界、また古いビジネスに思い入れがあります。だから捨てられない、発想を変えられないのです。その思い入れがいい結果を生むのは、そのビジネスに将来性がある場合だけではないでしょうか。あるいは放送局は許認可ビジネスなので、政府がビジネスのあり方を変えさせるかです。

やがて、突然の新規参入、その新参者のイノベーションが起こると、あっというまにビジネスの変化が起こってきます。グーグルにしても、アップルにしても、テレビ市場を虎視眈々と狙っていることはいうまでもないことです。その時に気がついても遅すぎるのです。広告収入のかなりをもっていかれ、しかも、そういったプラットフォームのなかのひとつのコンテンツを提供する存在となってしまうのです。

応援クリックよろしくお願いします
人気ブログランキングへ

進化したSFA営業支援システム「アクション・コックピット」。
訪問計画づくり、アポ取りをサポートする「営業ナビゲーター」機能を標準搭載
アクションコックピット