人気ブログランキングへ

液晶テレビ需要が大きく落ち込んだことで、家電量販も厳しい春を迎えていますが、そのなかでひとり元気なのはケーズデンキです。

家電量販各社の月次情報を見ると、家電量販で売り上げ高が唯一2兆円を超えトップを走っているヤマダ電機も冴えません。昨年の8月以降に売り上げが減少しはじめ、昨年並を達成したのは昨年末の12月の1ヶ月だけです。2011年4月から2012年3月までの通期では、グループ全店の前期比83.3%でした。第二位のエディオンも同様で、2011年4月から2012年3月までの通期の全店売り上げは前期比の81.1%となりました。ビッグカメラやコジマも他の量販と似たような状況です。

しかし第三位のケーズデンキだけは、昨年の8月から11月の売り上げの失速から立ち直り、直近の3月のグループ計の売り上げは、対前年比102.1%と前年実績を上回っています。

各社とも、やはり液晶テレビや再生・録画機関連の不振が響き、その影響をもろに受けています。ヤマダ電機は「TV、レコーダー等の映像関係、エアコンが伸び悩み」とコメントしているだけですが、エディオンは、液晶テレビ関連の売り上げが、この1月から3月の第4四半期で前年同期の49.0%と半減、直近の3月はなんと27.4%という落ち込みです。ケーズデンキも、テレビに関しては第4四半期で52.4%なので同様の状態です。もちろん昨年のエコポイント特需や駆け込み需要で前期の売り上げがかさ上げされているとしても、厳しいことに変わりはありません。

家電量販大手他社とケーズデンキの違いをつくっているのは、この1月から3月の第4四半期でみると、パソコン(116.3%)、冷蔵庫(127.3%)洗濯機(132.1%)、クリーナー(127.3%)、調理家電(113.7%)、理美容・健康器具(117.5%)、エアコン(127.7%)など、液晶テレビなどの映像関連の売り上げの落ち込みを見事に他の家電商品でカバーしたことだとわかります。とくにヤマダ電機のエアコン不調というコメントとケーズ電機のエアコン好調では対照的な結果となりました。

他社は、液晶テレビの落ち込みに対応できなかったのが、ケーズデンキはいちはやく液晶テレビ以外に販売の力点を置き、脱液晶テレビに成功したことがうかがえます。しかも、3月の新生活スタートの需要をうまく取り込んだため3月も対前年をクリアできたのでしょう。確かに、近くのケーズデンキに行った時にも感じたことです。
ケーズデンキは「がんばらない経営」を理念に掲げています。だから無理に液晶テレビをがんばって売ろうとせず、素直に変化への対応に向かわせたのかもしれません。
ケーズデンキ −株式会社ケーズホールディングス/会社情報/

小売業は変化対応業だといわれますが、その対応スピードの差や徹底度が販売実績の差につながったのですが、さて1万人の人員削減まで発表したSONYが「脱・液晶テレビ」なり「超・液晶テレビ」の鮮やかな事業転換をはかることができるのか注目したいところです。

応援クリックよろしくお願いします
人気ブログランキングへ
進化したSFA営業支援システム「アクション・コックピット」。
訪問計画づくり、アポ取りをサポートする
「営業ナビゲーター」機能を搭載
アクションコックピット