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日本にとっての最大かつ深刻で確実にやってくる危機はなにだとお考えですか。中国の軍事膨張でしょうか。台湾有事でしょうか。食糧自給率の低下でしょうか。財政破綻でしょうか。エネルギー問題でしょうか。年金の破綻でしょうか。

どれひとつとっても、真剣に取り組めばなんらかの解決策は見いだせる問題ばかりです。あとは政治の意思決定の覚悟の問題です。

さて、課題を緊急度と重要度でマトリックスをつくると、緊急度は高いけれど重要度は低い、緊急度も重要度も高い、緊急度は低いけれど重要度は高い、緊急度も重要度も低いグループにわかれます。これはよく知られているなにから手をつけるかを判断するための課題の仕分けです。

この整理ができていないと、一般的には重要度は低いけれど、緊急度の比較的高い課題、しかもなにかを片付けたという自己満足が得られる課題ばかりに手をつけてしまうことになってしまいます。

それで考えると、日本の人口問題、それにともなってやってくる超高齢化社会は、重要度が桁外れに高く、ほんとうは緊急度も高いにもかかわらず、長期にわたって対策を講じなければならない問題なので、課題としては先送りされがちな問題です。

しかし人口の減少、超高齢化社会は確実にやってきて、その対策を行わなければ、国家の内部から弱体化、また崩壊すら起こりかねない問題だと思います。王文亮さんの「日本を滅ぼす超高齢社会」の連載ががスタートしましたがぜひ一読されることをおすすめします。
日本を滅ぼす超高齢社会(1)―衝撃的な将来人口推計(王文亮) - BLOGOS(ブロゴス) :

いちど、さまざまに考えられている日本の課題について、マトリックスにプロットしてみていただければ、日本の政治、あるいは政党を評価するひとつの尺度になってくると思います。

年金問題が再びクローズアップされてきましたが、制度的にも、運用でも破綻してしまっていて、年金積立金もやがて枯渇する危機をむかえます。超高齢化が問題をさらに深刻にします。
池田信夫さんがネズミ講だと指摘されている賦課方式をやめ、一度清算すればすっきりするのですが、これまで年金を支払いつづけてきた世代に支払った金額を返して年金支給をやめるにしても、それを支払う原資はすでにありません。それは国家の負債となり、税で穴埋めすることになってきます。それも将来世代への重い負担になってきます。

こうなってしまったのも、厚生労働省の官僚が年金を食い物にして、官僚が積立金の800兆円も消失させてしまったことがさらに問題を深刻化させているのですが、誰も責任を取りません。
片山さつき氏に見て頂きたい最もわかりやすい年金問題の番組(鈴木亘) - BLOGOS(ブロゴス) :

日本は、労働人口も、消費人口も減少するので、構造的に経済は縮小していきます。歯止めをかけるためには付加価値の高いビジネスだけを残し、労働生産性を高めるしかありませんが、それもそう容易なことではありません。

日本の国内消費が落ち込んでいくと、日本でのビジネス機会も当然減少し、税負担、社会保障負担だけが大きく、低社会福祉国になっていくために、当然将来世代の海外流出がいま以上に起こってきます。そんな損な国に残る理由はありません。そうなるとデフレスパイラルどころではない、労働人口の減少にともなう負のスパイラルが加速してくることは想像に難くありません。

経済がゆるやかに落ち込んでいって、貧しくとも成熟した国に落ち着けばいいのですが、いまの日本のありかたのままでは国も社会も維持することすら難しくなり、それは同時に日本の世界でのプレゼンスを低下させてきます。他国にとっての日本の存在価値はいまよりよはるかに低下し、それは日本の外交、安全保障能力すら揺らいできます。

人口問題は、非常に広範囲に負の影響をもたらします。

ひとつの解決策は、少子化を改善することと、まだ日本の経済力が残されているうちに、うまく移民政策を進めることの選択肢が残されています。アジア諸国との経済格差が残っているうちは、良質で高度な潜在能力をもった働き手を重点的に日本に来てもらうことも可能ですが、格差が縮まるとそれも不可能になってきます。誰も北朝鮮には行きたくないのと同じことです。

もうひとつの解決策は、社会福祉に大胆に手をつけ、効率化を進めることです。たとえば、歳入庁を独立させ、税と保険料などの徴収の一体化を進めるだけでも効率化が進みます。消費税アップの前に、この議論を避けることは、やはり問題の核心から逃げているのです。しかし、それらも人口問題が日本にとっての最大かつ深刻な問題だというコンセンサスが得られなければ前には進みません。

そのコンセンサスをつくる役割を政治がになっているわけですが、しかし、日本の政治はこの人口問題をテーマにしても票にはならないために政治家は正面からは取り組みません。Parsleyさんがブログで、ネットメディアが、発行部数を増やすための記事を追求する「週刊誌」のように、アクセスを増やすことが目的となり内容がともなっていないものが増えてきたと指摘されていましたが、政治のほうがそれ以上に、票と人気を取るためのパーフォーマンスや政争に走り、「週刊誌」化してきていると感じます。
「週刊誌」的になるネットメディア :: Parsleyの「添え物は添え物らしく」 :

非常に残念な状況ですが、課題の重要度やその解決の構想を示せない日本の政治のあり方が問われているのだと思います。しかし、なんらかのブレークスルーが求められている事実には変わりありません。

一度自民党が主張するように「自助」、つまり「勝手に家族で面倒をみろよ」という政策をやってみれば、いかに日本の家族が地域的にもバラバラになり、さらに家族コミュニティが崩壊した日本の現状が痛感されてくるので、日本の国の姿を変えようという機運が逆ショック療法で、ほんとうの課題はなにかについての真剣な議論がスタートするのかもしれません。

それよりは、日本の人口問題を第一課題に上げない政党は信用しないという世論が高まってくるほうが、日本にとって健全な課題解決への道が開けてくるのかもしれません。週刊誌的に、話題の票につながりそうな目先の課題には敏感に反応し、声を荒げるけれど、本質の危機からは逃げる政治を許しているゆとりはもうないのです。

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