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再稼働の焦点になっている福井県大飯(おおい)原発3、4号機を大阪市の大阪府市統合本部エネルギー戦略会議の委員ら12人が視察した様子がニュースに流れていました。使用済み核燃料の貯蔵庫など、当初の予定になかった施設を報道陣に公開するよう求める委員側とそれを拒否する関電側のやりとりが気になりました。
関電大飯原発「安全確保できていない」 大阪府市エネ会議委員が視察 - MSN産経ニュース :
エネルギー戦略会議委員らの視察は認めるけれどマスコミの報道は入れないという関電側と、関電側にとっても安全対策をアピールするいい機会なので、マスコミにも公開すべきだという委員側との緊迫したやりとりの様子が流れていましたが、関電側は「決められたところしかマスコミ取材は認められない」という言葉を繰り返すばかりで、報道を入れない合理的説明がありませんでした。もし報道が偏った編集を行なっておらずそれが事実なら、関電には危機対応能力に欠けていることを強く感じます。
危機対応は、あらかじめ想定された事態に対して、決められた対応を決められたように行なう、いわゆるマニュアルどおりに対応することでは不十分です。なぜなら、危機対応能力は想定外に起こった問題にどう対処するかの能力も含まれてくるからです。そのことは3・11の際にも証明されています。重なる「想定外」の出来事で甚大な災害や事故が起こったのです。
危機管理能力があれば、想定外の施設での完全対策の公開を求められた際にも、「決められたところしか取材は認められない」という返答ではなく、合理的な理由が示せたはずです。取材による映像を公開できないことで想定できる理由は、素人なりに考えると
・安全対策ができていない不都合な真実がある
・すべて公開することは、外部から進入され、破壊工作などの防止上望ましくない
・特許による制約あるいは関電の企業秘密上公開できない
・誤解を生じやすい箇所であり、映像公開はミスリードの材料となるリスクがある
・映像の公開が法的に禁じられている
といったものか、その組み合わせだと思いますが、すべての公開を委員側が求めてくることぐらいは「想定の範囲」であったはずで、その際の対応ぐらいは考えておくべきでした。安全対策がまだ不十分なところがあったのなら、それは課題として対処する計画がすでにあると説明すればよかっただけのことです。
それが示せず、押し問答を繰り返すだけというのは、問題の「想定能力」の不足を物語っているだけでなく、委員のなかの古賀特別顧問が主張したように、関電が安全性をアピールするせっかくの機会をいかせなかったということで、そもそも再稼働をめぐる厳しい状況へ認識が極めて甘いことを物語っています。
原発再稼働に対しては、安全性への不安と、エネルギー不足による産業や暮らしへの影響への懸念で、国民も、地域住民も意見が二分された状況です。しかも再稼働のためには地域との合意が求められます。そのためには、関電が信頼を得るためにはそれこそ社運をかけて信頼を得る努力を行ない、またそこに傾注するのが当然です。そのように社内を動かす責任を負っているのは経営側です。
原発再稼働をめぐる不安や反対があること、そのこと自体が関電にとっては危機そのものであり、それにどう対応するかは、当然、経営側が陣頭指揮にたって行なうべきことですが、視察現場のシーンに経営幹部の姿は映っていなかったようです。つまり経営者そのものの危機管理能力も同時に問われた出来事だったのです。
それができていなかったのです。
むしろ、未だに不都合な真実は意図的に無視し、ひたすら原発推進を行なってきた電力ムラ意識が残っており、最後は政治が解決してくれるという依存心もあるという疑念を感じさせてしまいました。
なぜそうなってしまったのでしょうか。同じ関電グループの「EOひかり」を展開しているケイ・オプティコムとの姿勢の違いを感じます。王者NTTにチャレンジするケイ・オプティコムと、地域独占で、経営が社内統治と政治とのつきあいをやっていればいいだけの関電では当然経営者の意識や能力でも違いがでてきます。
その関電もかつて経産省が電力自由化方針を打ち出したときには、強い危機意識があり、電力自由化で想定される対処と社内の体質強化の動きがありました。競争に耐える能力をもつこと、電力自由化によって、余剰人員が大量に生まれる可能性が高く、それを吸収する多角化が、大きな経営課題として浮上していたからです。しかし現実は、電力自由化が部分的なものに終わってしまったために、ふたたび危機感が緩み、独占企業の甘い体質に戻ってしまったのではないかとも感じられます。
関電が、インフラ企業としての社会責任を果たし、産業や暮らしを支えるために原発が必要だという信念があるのなら、福島第一原発事故以後の国民意識の変化から逃げず、嘘をつかない、一方的なPRではなく、「情報公開」によって信頼を得る開かれた市民企業に自らが変わっていけるのかどうかの瀬戸際にたっていることを認識すべきだし、ぜひそう変わっていって欲しいものです。そうでなければ原発を扱う資格への不信感が広がり、深まっていくばかりです。
不都合な真実を覆い隠すのではなく、市民や地域住民に自ら近づいていく、そして情報共有によって市民からの理解を求める努力のなかで信頼を得ていく経営を望みたいところです。
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