人気ブログランキングへ

ドコモによる公開株式買い付け(TOB)が成立し子会社化することが発表されています。
ドコモ“つながる”異業種 携帯市場に飽和感…手強いライバルに焦りも (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ) :


想像力の不足かもしれませんが、この意義がまったく分かりません。サンケイビズの記事にあるように、スマホの普及で、付加価値があり、ビジネスとして美味しいところは、すべて他の業界にもっていかれ、通信事業が、ただただ電波をつなげるだけの「土管」化してしまう恐怖に煽られ、しっちゃかめっか多角化を進めようとしているのだろうかと疑ってしまいます。

「らでぃっしゅぼーや」は、会員数が増えているとはいえ、高収益なビジネスとはいえません。この3年の決算を見ても、売上は横ばい、また営業利益は、2010年2月期の5億円から、2011年2月期に2億6千万円と減少し、2012年2月期の通期予想でも2億7千万と低空飛行状態で、ドコモの収益向上になにか貢献するといった気配が感じられません。

そこにまた参戦するのがダボハゼ型経営のローソンで、ドコモが取得した株式の最大20%をローソンに譲渡し、ドコモ、ローソン、らでぃしゅぼーや連合が生まれそうです。ローソンが近づく理由は理解できます。流通の競争は、世界的に見ても、プライベートブランド比率をいかにあげ、製造直売による効率化で、いかに品質を落とさず低価格を実現するか、また利益率をあげていくことがひとつの大きな焦点になっています。しかし、ローソンは開発力や商品政策、またその仕組みづくりが弱く、外部依存が激しいので、生鮮野菜は「らっでぃしゅぼーや」に頼りたいのでしょう。

ドコモが、リアルなビジネスの世界に足を突っ込む実験を試みるにしても、事業の距離はあまりにも遠く、事業の発展上どうしても必要な新規事業への進出、いわゆる「滲み出し」ではありません。高齢化社会にむけ通信とリアルなビジネスをつなげるといっても、別にドコモが手がける必然性は乏しく、空中戦の経験しかないドコモが地味な地上戦に踏み込むことは、相当無理を感じます。

かつての高度成長期なら、テイジンがやったように、しっちゃかめっか多角化を進め、ほとんどが失敗しても、そのうちひとつが成功すればいいという時代もありましたが、もうそんな時代ではありません。競争環境はいちだんと厳しくなり、小さな事業であっても、事業が生みだす価値の深さ、商品やサービス、またビジネスの仕組みにも「本物」が求めれらます。

ライバルが900メガヘルツ帯、700メガヘルツ帯を獲得し、それですぐさまドコモと遜色なく「つながる」とは限らないとしても、「どこでもつながる」ことしか優位性を持っていないドコモにとっては脅威です。だから、なにか手を打たないと経営として示しがつかないという経営のアリバイ工作みたいなものを感じます。

しかし、「らっでぃしゅぼーや」を買った限りは、しっかり経営資源を投入し、社員のひとたちに農作業体験研修、配送体験研修でもやって、ビジネスの厳しさ、稼ぐことは大変なんだと感じてもらえば、社内もピリッとして体質強化につながるのかもしれません。効果としてはそれぐらいかなと感じます。

失敗から学べることも多いので、経営にゆとりのある今に、なんでも「やってみなはれ」ということも言えそうですが。ドコモが迷走しても、ユーザーは通信キャリアを乗り換えればいいだけですが、なにかすっきりしない事案ですね。

応援クリックよろしくお願いします
人気ブログランキングへ

進化したSFA営業支援システム「アクション・コックピット」。
訪問計画づくり、アポ取りをサポートする
「営業ナビゲーター」機能を搭載
アクションコックピット