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大阪弁で、「ほんまや」は「本当だ」にあたると思います。「ほんまもん」は「本物」です。
大阪市水道局が500ミリリットルの水道水をペットボトルに入れ、100円で売っている「ほんまや」を橋下市長が、製造中止としたことで驚いたのは、製造の中止ではなく、まだこの商品が存在していたことでした。

PRなら、少量をつくってタダで配ればいいのですが、わざわざ金を払ってモンドセレクションまでとって、累計で100万本を売ったそうだから、せっせと赤字をつくり続けていたことになります。年約1500万円(10年度)の赤字事業だったといいます。

普通の感覚で言えば「アホかいな」です。

まだホームページがありました。
なにわ育ちのおいしい水 ほんまや “Honmaya!” :

昔は武家の商法というのがありましたが、ひたすら予算の確保と、予算の消化しか考えずにビジネスをやっている役人さんに利益を上げるということなど想像もつかないでしょうし、そんな経営力もありません。PRという名目があり、予算がついているので、現場は「頑張ってきた」のでしょう。それを正確には「暴走」といいます。

たんに浄水しただけの水のどこが「ほんまや」なのだとクレームをつけたくなります。まずいと思っていた水道水が、「結構飲めるようになりました。嘘だと思うのなら飲んでみてください、確かに臭くない、ほんまや」ということなのでしょう。それを売り手発想、売り手の自己満足というのです。

大阪に近い神戸では「布引の水」が、100円コインで20リットル程度手に入りますが、こちらは名水で、その水で、コーヒーでも淹れれば、その違いが「ほんまや」と感じさせます。大阪の水道水「ほんまや」の事業は、売り手発想しかない哀れさを感じます。

当然、中止になるわけで、しかも水道水の需要は減ってきているので、当然大阪府の他の上水道と統合しようというのは自然な発想です。水源はほとんどを淀川水系からとっているので、同じ水です。

その「ほんまや」を中国に売ればいいという記事がありました。確かにそうかもしれないと一瞬思いましたが、日本の水利権を抑えようとしている中国のビジネスマンでも、高く売れるもの、つまりブランドをつけ、利益のとれるものを求めているのであって、ブランド化が困難な大阪の水では、買い叩かれるだけで、商売は厳しいものになります。
大阪の水「ほんまや」を大化けさせる方法 自治体は世界を相手に水ビジネスを :


こういった採算性や投資効果を考えず、ひたすら予算を消化する暴走は、大阪市だけの問題ではありません。大阪の水「ほんまや」はまだかわいいほうです。
財政赤字が増えている、さらに社会福祉費用が増えていく、だから消費税アップだというときに、与野党一致で整備新幹線の残りの路線着工を決める神経と同じです。日航が経営破綻した最大の理由もそこでした。事業なら、しっかりした地域再生の構想を掲げ、その手段として新幹線が必要なのかどうかから考えなければなりませんが、予算をどうつくり、どう使うか、それで票を稼いだり、あるいは官僚の仕事をつくることが第一なのでしょう。


国交省が「有識者」で整備効果を再検証する方針を示していますが、これまでのような「出来レース」だけはやめて欲しいものです。まずはそれぞれの地域をこうしたい、こう地域産業を改造すれば地域が活性化し、豊かになるという構想があって、そのためにはどうしても新幹線が必要というのならわかるのですが、手段としての新幹線を通せば、経済が良くなるというのは、企業なら倒産にむけてまっしぐらに走るにひとしいことは誰だって想像がつきます。
整備新幹線未着工3区間、有識者が整備効果を再検証|日経BP社 ケンプラッツ :

政治や、官僚、また行政の暴走をいかに食い止めるかが、日本の大きな課題だと思いますね。

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