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オリンパスの高山新社長が、英国の医療会社ジャイラス、また日本の法人などの買収が、ファンドを利用した含み損隠しであったことを認めたことで、ようやく日本の大手メディアも問題を大きく取り上げはじめました。周回遅れです。海外では、オリンパスの取締役会がウッドフォード元CEOが不自然な理由で解任された時点から、オリンパスの経営の不透明さを取り上げ、すでにオリンパス・スキャンダルは海外で広がってしまっていたのです。

さて、高山新社長が、含み損隠しを行なっていた菊川元会長につづいて、森副社長を解職、山田常勤監査役の辞任があり、また刑事告発も想定しているとオリンパスの信頼回復へ経営の舵を切ったのですが、時すでに遅しとしかいいようがありません。

海外の投資家も納得するもっと鮮やかな解決をオリンパスの取締役会が決定しなければ、今後の展開を想像するに、オリンパスの信頼回復は遠ざかるばかりです。おそらく、どのように不正な経理処理をしてきたかもさらにあぶりだされてくるでしょう。東京地検が家宅捜査に踏み込む可能性も想定されますが、映像ほど強いメッセージはありません。オリンパス・ブランドへの信頼はその瞬間に崩壊します。


しかし、この危機の終章は、案外あっけない結論で終わらせることができます。

それはウッドフォード元CEOの復帰です。

すでにオリンパスの同社の株主である米投資会社ハリス・アソシエーツのデービッド・ヘロー最高投資責任者(CIO)が、オリンパスの経営再建のためウッドフォード元社長が復帰すべきだとの見解を示しているようですが、当然だと思われます。
オリンパス、元社長復帰を 株主の米ファンド「調査継続が必要」 - SankeiBiz(サンケイビズ) :

ウッドフォード元CEOがどれほど経営手腕をもっているかは未知数としても、オリンパスが信頼を取り戻すためにはそれしかありません。

不正に気づいたウッドフォード元CEOが、不正を行っていた人たちから解任されてしまったというのは、まるで水戸黄門のドラマの、悪代官の不正に気づいた奉行が、悪代官の隠居を迫ったとたんに、家老たちも悪代官と一緒になって奉行を藩から追放してしまったという筋書きそのものです。

では皆さまが水戸光圀公ならどう解決するかです。

悪代官の不正を暴き、悪代官に追って沙汰を待てと謹慎させ、追放された奉行を藩に復帰させ、しっかり藩の再興のために尽くしてくださいというシーンで終わるはずです。

それぐらい簡単な問題なのです。

高山新社長は、キャリアから見て能力の高い現場のリーダーの方なのだろうと思えます。しかし平時なら別として、あまりにも現在の状況は深刻であり、問題は、信頼回復を行おうとする高山新社長はじめ、現在の経営陣がまったく市場からは信頼されていないことです。

第一に、雑誌FACTAの記事を読み、ウッドフォード元CEOの主張を聞き、ウッドフォード元CEOが外部に依頼して行った調査資料に目を通していれば、突然の解任ということに賛成したかです。その義務を怠っていました。

第二に、問題を軽く見過ぎたことです。高山新社長が就任時に、不正はなかった、買収に問題はなかったと言ってしまったことです。これはマスメディアも問題にしています。つまり、高山新社長は、自社の危機を救うために、自ら菊川元会長らに反旗を翻したのではなく、菊川元会長のお墨付きで新社長になったとしか世間には映っていないのです。いかに不正に気づいて、方針を変えたとしても、高山新社長はその疑念を背負ってしまっています。

第三に、それにも関連しますが、オリンパスの信頼回復のために、問題を解決しようという強い意思、リーダーシップを見せることができていないことです。第三者委員会を設置し、調査を依頼したというのは国内では通用しても、なんら権威のない組織の調査では海外では通じません。他人任せとしか映らないのではないでしょうか。
また、記者会見で涙を見せられましたが、その心情は個人的には同情いたしますが、泣きたいのはとばっちりを受けた社員や株主のほうでしょう。

つまり、いかに現場として有能な方たちだとしても、適役でなく、また役者として不足なのです。

ウッドフォード元CEOの復帰を決めれば、問題をゼロベースに戻せます。旧経営陣と決別し、やっと本気で不正処理問題にむきあう決心を取締役会が決定したと評価されるでしょう。信頼を回復するために、オリンパスに残された方法はそれしありません。

もちろん、ウッドフォード元CEOが復帰しても、それですべての信頼を取り戻せるわけはありませんが、少なくとも、信頼回復にむけての動きがスタートしたということはアピールできるはずです。

オリンパスは、社内の「コンプライアンスヘルプライン室」に内部告発を行った社員が配置転換などの制裁を受けたという問題が過去にもあったことを考えると、社内体質改善には長い道のりを要しそうですが、内視鏡関連で強い事業をもっている会社だけに、ぜひ自らの信頼を回復し、立ち直る思い切った決断をしてもらいたいものです。

オリンパスのケースに見る内部告発者の悲惨な現状|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン :

 


それにしても、国内で取り上げていたのは、この騒動の発端となるスクープ記事を掲載した雑誌FACTA、またオリンパス・スキャンダルに関した海外メディアを積極的に紹介し続けてきたJBプレス、またそれを追うように取り上げたサンケイBIZなどでした。

関係各社には申し訳ないけれど、いずれもメディアの世界ではメジャーとは言いがたいところばかりです。大手メディアは、オリンパスからの発表の伝言ゲームをやっていたにすぎなかったのではないかと感じます。

それがオリンパス経営陣の経営危機に対する感度を鈍らせた原因となり、信頼回復に対する根本的な解決策を遠ざけたのではないかとも感じます。

つまりオリンパス問題は、オリンパス一社の問題ではなく、日本のメディアの問題でもあるということです。

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