牛丼チェーン「すき家」を狙った強盗事件が増え、警視庁がゼンショーに2度にわたって個別企業に対しては異例の防犯対策の強化を2度にわたって要請したということがありましたが、それよりは、ゼンショーの広報担当者が「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか考えたい」と発言したの報道があり、そちらのほうが世間を騒がしたというご記憶があると思います。
言った、言わないの押し問答で事の真相はわかりませんが、記者の聞きとり能力が低いのか、意図的に世間の注目を集める報道をしたいという一念で、発言の一部を切り取って、誤解を受ける報道をするのか、あるいはそれが重なってそうなるのかはわかりませんが、そういった報道はすくなからずあるように感じます。
さて、牛丼チェーンを狙った強盗は9月末までに全国で71件発生し、すでに昨年1年間の68件を上回っており、すき家の被害が63件で全体の9割を占めるというのは、店舗数がいかに多いといっても、すき家の防犯体制にも問題があるのではないかと思われます。
世の中が不景気になってくると、牛丼チェーンを狙った強盗が増えてきただけでなく、牛丼チェーンと同じく、深夜のコンビニやスーパーを狙った強盗事件、また強盗事件全体も増えてきているのではないかと思いますが、ほんとうにそうなのかと調べてみました。資料は、警視庁の「平成23年上半期の犯罪情勢」です。
「平成23年上半期の犯罪情勢」(PDF)
意外なことに、発生件数とほぼいえる認知件数が、昨年上半期の369件から308件に減っています。防犯体制が強化されたからかもしれません。では強盗事件そのものがどうかですが、やはり減っていました。
経年変化を見ると、認知件数は平成15年の7,664件から減少傾向にあり、平成22年には4,029件で、ピーク時の53%まで減って、今年の上半期ではそれよりも認知件数は少なくなっています。そうやって見てみると、すき家の強盗増加は、すき家には「スキあり」ではないかということです。
また昨今は、、遺体があちらこちらで発見され、窃盗容疑の男を捕まえると車から白骨遺体がでてきたなど、なにか物騒な時代になったと感じるのですが、やはり殺人事件は増えているのでしょうか。
窃盗容疑の男の車から白骨遺体を発見 死体遺棄視野に捜査+(1/2ページ) - MSN産経ニュース :
警視庁が発表しているのは、あくまで殺人が起こって、それがわかったもので、遺体を隠してしまうと殺人事件があったかどうかは把握できないとしても、やはり平成15年の1,452件をピークに減少し、平成22年は1,067件となり、今年の上期も昨年上半期よりも減っています。それよりもなにか物悲しさを感じるのは、検挙された犯人の年齢では、どの年齢層も減っているのですが、65歳以上の検挙者が増えていることです。
また昨今は育児に悩んだ母親が子供を殺めるとか、家庭内暴力で子供が犠牲になる事件が目立ちますが、こちらもとくに増加しているわけではありません。
2歳長男を5階から落とす 母親を殺人未遂容疑で逮捕 - 関西ニュース一般 :
ただ、やはり夫婦間での殺人や傷害及び暴行事件、いわゆるドメスティック・バイオレンスは警察に届けず、事件化していないものも多いと思われますが、検挙件数はやや増加傾向にあるのが気になります。こちらはなんとかしないといけません。また車上あらしも増えているようなので、車のオーナーの皆様は気をつけてください。
しかし、この報告書の全体を眺めていると、ひとつは平成15年前後に重大犯罪が増えたことで、犯罪白書で確認すると、やはりそれまでは減少していた重大犯罪が平成15年前後に再び増加傾向となります。当時は小泉内閣でした。
日本も犯罪が増え、安心でなくなったと危惧されたのはその頃ですが、その後は経済が厳しい中でも、犯罪件数そのものは減ってきています。警察関係の人たちの努力も大きいとは思いますが、やはり日本の国民性をつくづく感じるのです。
応援クリックよろしくお願いします
サーバーもソフトも不要のSFA「アクション・コックピット」。
使いやすさに加え強力分析ツール「アクション・アナライザー」登場
![]() 美味しい飲み比べセットあります。酒米王様「山田錦」で仕込んだ至高の飲み比べ違いを感じてみ... |
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。