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おせち料理で表示と中味があまりにも異なることで問題を起こし話題になったグルーポンですが、成長力には目をみはるものがあり、2010年第1四半期の2000万ドルから今年第1四半期には2億7000万ドルまで10倍に増えています。

小さな企業や商店の知名度をあげたり、トライアルで商品やサービスを体験してもらうためのマーケティング手段を提供した功績は大きく、最速ともいえる急成長を遂げ、上場をめぐっての話題も事欠きません。

この急成長を生み出してきたのはアイデアの良さもあるでしょうが、積極的な販売攻勢とM&Aによるところも大きく、そのために販売コストもかさみ、累積で5億2200万ドルの巨額の累積赤字を抱える結果となっています。

さて、グルーポンのビジネス・モデルですが、面白いと思う反面、危うさも感じます。

まず商品やサービスを割引購入するクーポンの手数料が高く、スポンサー企業が、赤字覚悟のトライアル購入を促進することに割り切ればいいのですが、赤字を縮小しようとすると、おせち料理で問題になったように、商品やサービスのコストを下げるか、価格を水増しする問題が発生しかねないことです。
5分でわかるグルーポンの仕組みと抜け道*ホームページを作る人のネタ帳 :

もしそれで不満が起こるとユーザーは二度と利用しないことになりかねません。
商品やサービスの品質のコントロールが困難で、品質の安定をはかろうとすると、信頼ができ実績のあるスポンサー企業に対象が絞られてきます。

第二は、どのようなビジネスでもそうですが、スポンサー企業が継続して利用しなければつねに新規のスポンサーを開拓しなければなりません。それは顧客開拓のためのマーケティング費用が増え続けるばかりか、やがては、スポンサーが枯渇することも考えられることです。
フィナンシャル・タイムスの訳文記事によると、昨年行われた調査では、グループ割引で販売した商店主の42%はサービスの再利用をしていないという結果だったそうです。もしそれが本当なら離脱率が高すぎます。
グルーポンはIPOを正当化できない 危険に満ちたドライブ、投資家は慎重な判断を JBpress(日本ビジネスプレス) :


第三は、ほんとうにスポンサーが狙ったような販売促進になっているのかどうかです。グルーポンによる知名度アップや購入また利用体験には効果が高くとも、その後のリピート購入やリピート利用がなければ、スポンサーは投資の回収ができません。実際にグルーポン利用客がクーポンを利用せず、通常時にリピート購入したのか、再訪問があったかを検証することも難しそうです。
もし、利用者にバーゲンハンターが多く、魅力的な割引がない時にしか利用しないとすればグルーポン継続利用は期待できません。だから離脱率が気になるのです。

第四は、模倣がいかにも簡単なビジネス・モデルだということです。グルーポン買収に失敗したグーグルも「グーグル・オファーズ」として米国の一部で同種のサービスをスタートさせています。グーグルはこの種のマーケティングは不得意だとしても、国内でも、ポンパレ、一休マーケットなど数社が参入しており、第二位のリクルートのポンバレとの差はすでに大きいとは言えません。営業の足腰が強い会社からすれば、フリーペーパーよりも美味しいビジネスのようにも感じます。

第五は、グルーポンで割引を行うことが、その商品やお店のブランドのイメージにとってプラスになるのかどうかも気になるところです。しょせん安売りしなければ売れないというナイナ・イメージがつくリスクをともないかねないことです。

さて、このまま成長を続けるのか、ビジネス・モデルそのものが抱えている問題で、いずれかの時点で失速するのか目がはなせないビジネスです。


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