テレビの3D化については、サムスンとLGが標準規格の主導権をめぐって、技術の優位性を公開検証することを行ったりしているようですが、ニーズのないところでいくら技術を競っても虚しく感じます。
もともとニッチなマーケットとしては成り立ったとしてもその域を超えないところに業界がこぞって参入し、競い合うと価格下落が加速することは当然で、登場して一年で、はや40型で非3D薄型テレビよりも安い10万円を割るものが登場してきています。プレミアム価格となるほどの価値はなかったということでしょう。
ゲーム機ならば、すこしは需要があるかと思っていたのですが、こちらはソフトが不足、またゲームのハードルが高いと、いまひとつ盛り上がりに欠けるようです。東日本での震災、その後の広告の自粛など、3DSに期待をかけた任天堂にとってはアンラッキーなスタートとなってしまいましたが、発売当初の売れ行きの勢いもなくなり、中古価格も落ちてきているようです。また3DSのソフトで人気のないものはすでに投げ売り状態になっているとか。
『ニンテンドー3DS』のゲームソフトが激安価格で販売されている - ガジェット通信 :
3Dは映画にしても、テレビにしても、ゲームにしても、面白いコンテンツをつくることは、企画にしても制作にしてもハードルが高く、またコストもかかるので、このご時世には向いていないのかもしれません。
業界がこぞって期待をかけて殺到した3Dですが、なにかかつてのセカンド・ライフを彷彿させるものがあります。そろそろ3Dになぜのめり込んでしまったのかの検証が必要ではないでしょうか。
人びとがもとめているのは、テレビがどう見えるかではなく、テレビでこれまでに体験したことのないなにができるかで、いくら普通の自動車にウィングをつけても、それはレーシングカーにはならないし、ましてや空を飛ぶ飛行機になるわけではありませんからね。
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3Dの最大の弱点は3Dで見たくなるコンテンツが無いこと、これに尽きます。
そのコンテンツとは映画ではなく、従来のコンテンツのブラッシュアップではないかと最近、考えてきています。
たとえば地震の影響でお流れになってしまいましたが、プロ野球の3D中継というものが予定されていました。これは従来の野球中継の型通りのカメラアングルに捕われない、3D用のアングルで撮影する予定だったのです。
また一部限定公開された舞台中継の3Dソフト化で『カルメン3D』というものがありますが、これもまた一般的な舞台中継では見られないアングルを多用し、まさに3Dだからこその興奮を与えてくれます。
そもそもフルHDだって普及・定着するのに8年かかっています。これはハード、ソフトともに、です。BDも5年以上かかり、一時は不要論が圧倒的でした。3Dはまだ試行錯誤の段階でしかなく、結論を出すのは早計ではないかと思います。