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連休前にツイッターで、ぜひ書評を書いて欲しいというツイートがあり、取り寄せたのが『までいの力』でした。

東電福島第一原発の北西30〜40Kmも離れた飯舘村で、事故の10日後に水道水から規制値の3倍を超える放射性ヨウ素が検出され、さらにその2日後には土壌からも高濃度のセシウムが検出され、さらに4月11日に「計画的避難区域」に指定された経緯、その間の政府対応が二転三転したことはご記憶だと思います。

『までいの力』はいかに飯舘村が自立をめざし、自らの手で村おこしを行って来たか、またさまざまなその活動、飯舘村が取り戻した村の魅力あふれた価値についてを紹介した本です。

この本が準備されていたのは、福島第一原発事故の前です。村長のまえがきの冒頭にまさかこのような中での発刊になるとはと書かれていますが、その「まさか」が飯舘村を襲ったのです。福島第一原発事故は、この村の自立への努力を一瞬に吹き飛ばしてしまったのです。

さて気になるのは「までいの力」とは何かです。スローライフの心そのものだと感じますが、スローライフをもっと村の人が理解できる、それに替わる言葉を探していたときに、ある一人の村民の呟きから再発見した言葉だそうです。

「スローライフって『までい』ってごどなんじゃねーべか

『までい』は、古語の「真手(まて)」を語源とした、手間ひまを惜しまない、丁寧に心をこめて、つつましくという意味の東北地方の方言だそうです。この『までいの力』が飯舘村のオンリーワンを目指した村おこしが出会い、さまざまな暮らし方の転換、魔法が起こってきたのです。過疎化し孤立し無縁社会化した村も『までいの力』で人びとがつながる村となり、限界集落の危機も、『までいの力』で、お年寄りが元気に大地を耕す現役に復帰。さらに森と山しかない里山も、『までいの力』で、実はそこは資源の宝庫だという発見につながります。

この本で飯舘村が実践してきた、ある意味で日本の新しい価値観づくりの積み重ねを、福島第一原発事故は木っ端微塵にしてしまったのです。この本から伝わってくる飯舘村の活力、村の生活に魅せられるほど、福島第一原発事故の起こした事故の痛みを感じてしまいます。

本の帯に、この理不尽さへの怒り、明日がどうなるかわからないことで途方にくれた村人の気持ちがぶつけられていますが、同時に「繋がっていれば、決して負けない」という言葉も掲げられています。

「繋がっていれば、決して負けない」というのは、飯舘村だけのことではないようにも感じさせてくれる本でした。

地図上にあるひとつの過疎地、報道で映っている、避難を余儀なくされそれまでの生活を奪われた村民というだけでなく、この本を読めば、なにを私たちが失ったのかの違った視点との出会いがきっとあるものと思います。


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