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コンプライアンスの目的は、本来は市民企業として、法律を守ることは当然として、高い企業倫理を守り、さらに社会貢献を高めることにあるはずです。

しかしコンプライアンスも行き過ぎると、あるいは目的を間違えると、さまざまなクレームやリスクに対して、企業防衛を目的とした法令遵守を徹底することとなり、あらゆるリスクを排除しようとして、細部にこだわり、結果として事業の活力を削ぐことにもなります。日本は「コンプライアンス不況」だともいわれることもありました。

さて、東電の人たちの記者会見をUstreamで先週末に見ていたのですが、そこにあったのはコンプライアンスの鎧で身を固め、企業防衛に必死になっている人たちの姿でした。

「被爆した現場の作業員の方が所属している会社を、その会社がすでに発表しているにもかかわらず、なぜ東電が発表できないのか」とか「どのような契約内容や金額になっているのか」などの質問に、「個人のプライバシーを守るためだ」とか「契約上の問題なので」とオウム返しで同じ答えを返し、まともな理由を説明しないなど、それぞれの問題がどうであるかよりは、あまりにも杓子定規で、心がこもっていないのです。さらに今後の対策についても「検討している」という回答がほとんででした。

説明することは最低限必要なことだとしても、ほんとうに求められているのは、真実を伝え、今おこなっている対策に対して信頼してもらうようにすることですが、どうもその意識が感じられないものでした。

企業防衛と言っても、東電の経営責任は問われるわけで、しかも経営の破綻も予想され、政府負担が発生することは確実で、もっと企業の立場よりは、東電で働く市民としての立場で受け答えがあってもと思うし、「不都合な真実」を知っているのなら、記者会見で内部告発してもと思うのですが、まあ互いに生活があるので、無理な話でしょうか。

東電の清水社長が福島の震災以降初めて福島県を訪れ記者会見を行われ、福島第一原発周辺の方々へお詫びされたようですが、お詫びしなければならないのは、福島原発周辺の方々だけではありません。

ほんとうに心から反省され、責任をお感じなら、なぜこういった事態が起こることになったのか、東電だけでなく、原発行政に携わってきた経済産業省や政治家の人たちのなにが問題であったか、今回のような事態が起こった真の原因はなにかの真実を語るべきじゃないでしょうか。

原発を推進したいがためにずさんな原発行政が行われてきたことが今回は発覚したわけですが、政治とカネ問題で熱心だったマスコミの人たちがなぜその問題を追跡取材しないのかも不思議なことです。
福島第一原発事故は結果として起こったことであり、「なぜ起こったのか」の「なぜ」を解明しない限り、ほんとうの対策は生まれてこないはずです。

「あなたの過去など知りたくないの」で始まる菅原洋一の歌がありましたが、そういうことでしょうか。

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