
日経PCオンラインで、総務省の「フューチャースクール推進事業」に参加している大阪府箕面市立萱野小学校が公開した授業の様子が紹介されています。
自分で考えコメントする--「教室で1人1台タブレット」の授業
このプロジェクトは、ICTを活用した授業の実現に向けて、課題を抽出、また分析するために実施されているものですが、なかなか面白い活用がなされているようです。「フューチャースクール」という名称はいかにも野暮だとは感じますが。
萱野小学校での試みは、国語の授業で生徒たちの俳句を、タブレット端末を使って互いに読み合い、コメントしあうというものでした。それで人気の高かった作品を電子黒板で見せ、それをつくった生徒が、どのような着想でつくったのかなどを発表するという面白い趣向です。
これまでの授業であれば、置いてきぼりになる生徒、また関心が持てないと授業に加わらない生徒がでてきて問題が起こっていますが、ICTを活用することで、自分で考え、主体的にかかわり、情報を共有しあう授業に変わったのです。
こういった事例を他のマスコミも積極的に紹介して欲しいものです。なぜなら、まったくICTを理解していない旧世代の人たちが、まだ多いからです。
たとえば、医療カルテの一元化とネットワークの話だったと思いますが、当時は官房長官だった民主党の仙谷さんの口から、それはいい、パソコンに打ち込む人の雇用が増えるという言葉を耳にしたときには思わず絶句しました。なぜカルテを打ち込む人が必要なのでしょう。実際には、すでに大きな病院ではドクターがパソコンに打ち込んでいます。患者として訪れたときは画面を盗み見するのですが、あまりインターフェイスがよくなさそうに感じました。やがて、カルテは専門用語の塊なので、音声入力だって可能になるでしょう。
教育にICTを活用することや電子教科書に反対を表明だという人もいますが、結局は、教育のあり方について論評しているだけのものがほとんだと感じます。パソコンやインターネット、またその文化に馴染んでおらず、理解していない、あるいはその文化が嫌いなだけなのかもしれないですね。
「フューチャースクール」の推進は、子供たちのICT活用の文化や技術、また知恵を育てる、あるいは教科書のコンテンツをさらに豊かにして、ソフトバンクの孫社長のおっしゃる感動で学ぶ環境をつくりだすだけではありません。そこにまた新たな産業が生まれてくる可能性がでてきます。だから、将来への投資となる公共投資であり、どんどん進めるべきだと感じます。
懸念されるのは、そこに新たな利権が発生して、ITゼネコンなどにシステムを丸投げされ、コストだけ嵩み、内容は貧弱という最悪なものができることぐらいでしょうか。監視すべきはそちらのほうです。
なにせ、官僚や政治家はICTを理解していない人たちも多いのです。分かっていない人ほどキャッチフレーズやキーワードに、また権威に弱く、それに流されるということも心配されます。たとえば、クラウドと聞くとクラウド化すればなんでもできるという錯覚に陥る姿が目に浮かびます。
先日も、片山さつき議員と蓮舫行政刷新担当大臣のバトルがありましたが、片山さつき議員が、スパコンで第一位と第三位になったのはどこかと質問し、知らない蓮舫大臣を追い詰めていましたが、もう国会は吉本劇場じゃないよと笑ってしまいました。答えられない蓮舫大臣もいかにもという感じですが、問い詰めた片山さつき議員もどの程度理解されているかは疑問です。なにせ、例の社保庁の突合システムで、数カ月で絶対解決できると豪語していたのですから。システム開発について少しでも理解があれば、できっこないことは誰にでもわかることでしたから。
教育は、そんな政治のお笑い劇場の道具にだけはしてほしくないものです。党派を超えて、真剣に取り組むべき課題です。
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