
目がしょぼつき、頭がぼやっとして、集中できない。喉が乾き、くしゃみがでる。そんな状態の数日を過ごしています。花粉のシーズンがやってきています。
そんな状態のなか、開発に着手したソフトの仕様も詳細を吟味し決めていかなければならない段階に入り、さらに片付けなければならない雑用に終われ、ブログを書きたくとも書けず、3日間ブログをお休みしました。
さて、かつて工業製品が経済を牽引していた「規模の経済」の時代の競争はシェアをいかに上げるかに焦点がありました。しかし、供給力が需要を上回り、供給側、つまりメーカーよりも、需要側のほうが主導する経済に移ってからは、その勝利の方程式が効かなくなっています。
なぜなら価格決定の主導権が買い手側に移ってしまったからです。最初は、価格決定権が、より買い手に近い流通業に移りました。
そして販売力があり、つまり購買力が高ければ高いほど、価格決定の主導権を握ることができるために、流通の規模をめぐる競争が起こってきました。結果として、巨大なチェーンが登場し流通の寡占化が世界規模で進みました。
しかし、今やその巨大なチェーンも、ネット企業に脅かされる時代となり、価格決定の主導権が最終消費者にさらに移ってきています。
この時代変化に適応できなくなった典型的な市場が薄型テレビの市場です。グローバル市場で、日韓のメーカーが激しくシェアを争い、サムスンがトップとなり、それにソニーが続くという構図になっていますが、どの企業も営業利益がでない赤字事業に陥ってきています。
本来なら撤退すべきところでしょうが、撤退コストが高くつくことと、家電のなかでは消費者にとっても、また流通にとっても存在感の大きい市場からの撤退は、ブランドイメージ、あるいは他の関連商品への影響があることから撤退できずにいるというところでしょう。
あるいは、テレビがインターネットと融合したスマートテレビに変わっていくことを想定すれば、たとえ現在が赤字でもテレビ事業から撤退するとスマートテレビの展開で不利になると考えているからかもしれません。
しかし、どう考えても機種が多すぎます。そんなにテレビが必要なのかというほど量販店には並んでいますが、アメリカのベストバイなどのサイトで見ると、さまざまなブランドから、あわせてざっと250機種が売られています。もっとも多いのがサムスンで74機種でした。
その膨大な種類の機種が、発売後にあっというまに価格が落ち、製品サイクルが短くなり、それをカバーするためにどんどん新機種を出さざるをえない、それがまた採算を悪化させることに繋がっているのでしょう。発想の転換をしない限り、この状態は好転しないでしょう。あとは途上国むけに、低価格商品を、低コストで製造することに活路を見出さすかですが、こちらも激しい競争が繰り広げられます。
各社で利益がでなくなったことは、市場は、そろそろ発想を変えろというシグナルを送っているのです。
どのような発想の転換でしょうか。顧客経済の時代の原則は、価値を革新したところが勝者になるということです。
テレビは、製品そのものが成熟してしまっているのです。機能や性能を考えるのではなく、テレビの価値を変えないと、血で血を洗うレッドオーシャンから脱出することは無理だろうということです。
実際、自宅にはブラウン管のテレビも一台ありますがなにも困ることはありません。地デジ対応のチューナーをつけているので、もちろん地デジ番組も見ることができます。
テレビがテレビ番組やDVDなどの映画を見るモノである限り、ブラウン管テレビの時代からなんら価値が変わっていないのです。
SONYは、グーグルTVで、スマートTVの先がけを目指しましたが、今のところ米国の放送局がグーグルを排除しているので、鳴かず飛ばずのようです。
しかし、その程度ではアクトビラの改善の域をでません。インターネットを利用することは代替品がいくらでもあるからです。
当然、インターネットのコンテンツ流通のプラットフォームをつくって、映画やゲームコンテンツを売るビジネスも想定しているのだと思いますがそれは必須として、もう一歩先の目標をめざしたほうがよさそうです。
そのテレビを一台買っただけで生活が変わるという新しい価値の開発です。
どのような価値でしょうか。いろいろあるかもしれません。ひとつには、テレビをコミュニケーションのツールにしてしまうこともありえます。テレビと携帯、テレビとテレビをみんなつないでしまうのです。そしてつながるための場としてのプラットフォームをつくることも考えられます。
すでに、アップルのiPhone4なら、画像付きでコミュニケーションできるじゃないか、パソコンでできるじゃないかという方もいらっしゃるでしょうが、テレビのほうが優れている、あるいはテレビでないと無理だというものがあります。ぜひ気分転換として、みなさまも考えてみてください。
【お知らせ】
来週の9日に大阪で、「顧客経済」の時代に営業現場はなにを求められてきているかもお話させていただきます。また今開発中のソフト概要も紹介させていただきます。SFA導入予定がないという企業の方、あるいは個人の方でも、お気軽にご参加ください。詳細とお申し込みは→こちら
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わざわざテレビで通信をする理由がわからない、という意見はあるりますが、重要なのはテレビが少なくとも普及している家電である、ということです。わざわざその機能を使うために買い替える必要はないかもしれませんが、その機能があることで、その機能を使うために必要なそのほかの機器を買う必要がないのです。
たとえばニュージーランドの地震ですが、被災者が日本の関係者にSkypeで連絡をとろうとしたとします。このとき関係者のテレビにSkype機能があれば、映像つきで無事を知らせることができます。
こうした機能が生活をがらりと変えるとは思いませんが、家電とは使う人の意識を時間をかけて何となく変えていくもの、ではないでしょうか。