三菱電機がテレビの録画再生機でCMをカットする機能をなくすことが話題になっていました。池田信夫さんが厳しく批判されていましたが、三菱は録画再生機では、最初から国内での存在感は薄く、BCNランキングで見ても、今週は一機種が19位に登場するのがやっとのようです。
池田信夫 blog : 三菱電機とテレビ局の八百長
当事者の方にとっては、CMカット機能をなくすかどうかで、さんざん議論されての結論だと思いますが、無駄な時間の浪費です。一般論から言えば、市場から撤退する、あるいは、事業売却を探るほうがビジネスの正攻法ではないかと感じます。
この件で感じるのは、現代は顧客経済の時代であり、コトラーが指摘するように、不足しているのは製品ではなく顧客であって、顧客利益を最大化するイノベーションやマーケティングによってしか、顧客は増えないし、企業の利益もでないということがまだ理解されていないのだろうなということです。
リサーチ・アンド・ディベロプメントの調査によれば、9割の人が録画視聴時にCMをスキップしているといいます。いくらスキップ機能をなくしたところで、早送りするだけなので、実に虚しいことをやっていることになります。
Business Media 誠:録画番組、9割が視聴時にCMをスキップ :
テレビ局にとっては、CMを見てもらえるかどうかはビジネスとしては重要でしょうが、「テレビを見ながらPCやケータイでネットを使う」という人が全体では38%と3人に1人という結果で、年齢別に見れば、49歳以下では半数を超える人たちが「ながら視聴」を行っていることを考えると、番組すらまともに見られていないという現実を直視すべきなのです。
視聴者も、関心のあることに関したCM、あるいは面白いCMなら見ますが、どうでもいいCMを見るのは苦痛以外のなにものでもありません。
さて、テレビ局にとって、まともに番組を見てくれる視聴者を増やすことはそう難しいことではありません。タイムシフトの需要を取り込めばいいだけのことです。インターネットでビデオオンデマンドで無料でどんどん番組を流し、広告で稼げば、そこに新しいビジネスが生まれます。当たり前のことです。
地方局が成り立たない?それなら地方局も成り立つビジネス・モデルを描けばいいだけのことです。かつて、放送局で仕事をしていた友人に、番組をビデオで売ればいい、レンタルビデオの市場で儲かるよと言ったことがありましが、即座にありえない、そんなことはできないと否定されてしまいました。しかしどうでしょう。今では周回遅れで番組をDVDで売っています。
そろそろテレビ局も視聴者を起点としたパラダイム転換をしてはどうかと思いますね。
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民放のCM収入、スポットは回復基調だがタイムは下落のまま、という記事を目にしました。すでに、番組の中のCMではなくて、CMそのものに興味がある人が増えているのでしょう。
また博報堂DYが、インターネットTVの双方向性を生かして、CMから直接懸賞に応募できる仕組みを作るという記事もありました。
テレビ局のお偉い様にとってはCMは収入源、本編番組のおまけくらいの意識しかないのかもしれませんが、現場の視聴者や制作者の意識は、すでに先に行っているのかもしれませんよ。