人気ブログランキングへ

献本ありがとうございました。

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書 887)キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる
(ちくま新書 887)
著者:佐々木 俊尚
筑摩書房(2011-02-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

さて、マーケティングの課題は、供給過多の時代のなかで、進み始めたコモディティ化、また差別化が効かないフラット化に対して、どのように新たな価値づくりを実現するかに移ってきており、そのひとつの切り口を「新たな体験を創造するマーケティング」で、今日のメルマガで配信したところです。
「大西宏のマーケティ ング発想塾」

「キュレーションの時代」で、著者の佐々木俊尚さんが、モノの消費は、人も持っているからとか、人よりもいいものを持ちたい、またマス広告で期待を膨らませて流行をつくるバブルな時代が終わりつつあり、とりあえずの目的さえ果たせばいいという機能消費に戻ってきていると指摘されていますが、まさにそれが、価格でしか勝負できないコモディティ化であり、差別化が効かないフラット化です。

そして、それ以上の変化が情報社会のなかでも起こってきていると佐々木さんは指摘されています。情報はもはや私たちが処理できないほど身の回りに溢れ始めています。新聞記事も隅から隅まで読むと、半日かかってしまうとおっしゃる人がいますが、紙面の制約のないネットの世界では、おそらくその何千倍、何万倍もの情報が飛び交っているのでしょう。

紙面に限りのある新聞や時間帯に制約のあるテレビですら流れるニュースは、どのテレビを見ても、どの新聞をみても同じような記事、つまりコンテンツが流れています。しかも、今や海外からも日本語でニュースが流れてきます。
インターネットの世界では、さらに多くの情報が生み出され飛び交っています。ツイッターでたくさんの人をフォローしていると、タイムラインを追いかけることすらできないほどの情報が刻々と生み出されていることが実感できると思います。

情報の世界も、コンテンツ過剰時代がやってきています。モノと同じように、情報も需要に対して、供給過剰の時代となりました。

そして、情報が溢れれば溢れるほど、意味がある情報を発掘し、選別し、そこに新しい「視座」をもちこんで、コンテンツを再編集する人たち、つまり「情報のキュレーション」を行う人たちの重要度が増して来ることは時代の必然だといえます。

しかも、コンテンツを編集し、生み出される意味が、信頼されるものなのかどうかは、結局は、「情報をやりとりすることで人と人がつながる」ことを通して生まれてきている時代になってきています。

実際、ネットで交流していた人たちとは、初対面であっても、最初から互いに信頼感があり、言葉を尽くさなくとも、互いに通じ合います。

佐々木さんは、2010年代の消費の本質は「商品の機能+人と人のつながり」であり、「情報+人と人のつながり」だとし、そこには共鳴と共感を生み出すための人の介在が必要になってくるとされていますが、重要なことだと思います。

しかし、たとえそうであっても、マスメディアにしても、いかにカスタマイズを追求したとしてもマス生産に頼らざるをえないメーカーにしにも、キュレーターとしての共鳴や共感をつくりだす生き残りの道がないわけではないとも感じます。
ただそのためには、自らの役割について、また読者や消費者との関わり方、また立ち位置については、根本的に発想を変える必要があることは間違いありません。

応援クリックよろしくお願いします
人気ブログランキングへ

高機能で使いやすいSFA 「アクションコックピット」
携帯電話・iPhoneでも機能充実

高機能で使いやすいSFA 「アクションコックピット」携帯電話・iPhoneでも機能充実