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内閣が改造されました。与謝野さんが加わったことで、増税と官僚主導型に政策をシフトしたように感じる人が多く、民主党内部でも不協和音が生じてきています。自民党との違いがますます薄れ、たとえ一時的に支持率が上がったとしても、政治はどんどん流動化していきそうです。

「野党がいろいろな理由をつけて積極的に参加しようとしないなら、歴史に対する反逆行為だ」

菅総理の挑発的な言葉は、この先の菅内閣の行き詰まりを象徴しているかのように聞こえてきます。野党に協力を求めたいならば、違った言い方があったはずです。よほど「抗争」が好きなのでしょうか。

与謝野さんについていえば、議員を辞職し、ひとりの民間人として入閣すべきだったのではないかと思います。自民党の比例代表で選ばれたわけで、与謝野さん個人が国民の支持を受けて議員になったわけではないわけですから。

改造を受けて、さっそく読売と朝日が同じような論調で、公約の修正を促す社説を掲げました。はたして国民に問うこともなく、そんなに簡単にマニフェストを塗りかえよというのは、マスコミの奢りすら感じてしまいます。

民主党大会 与野党連携へ公約修正を急げ (読売新聞) :
政権公約見直し―予算案修正と一体で臨め(朝日新聞社)

もちろん税制と社会保障の見直しは、高齢化が進行するなかでは、財政をこれ以上悪化させないために必要でしょう。国債もいつまで発行し、消化できるかの保障もなく、タイマーは確実に動いています。

日本国債のDoomsday(終焉の日)はいつ到来するか?|野口悠紀雄 人口減少の経済学|ダイヤモンド・オンライン :

国民も消費税アップを容認している人は多く、昨年に東京新聞が行なった世論調査では、有権者の8.9%が「賛成」であり、53.4%が「やむなし」で、合計すれば6割の人たちが容認しているという結果でした。しかも民主党を支持している人のほうが容認している人が多いというのも面白い結果でした。
図録▽時事トピックス:「消費税10%に引き上げ」への有権者意向(2010年7月) :

しかし、消費税を上げ、社会保障体制を見直すことは避けられないとしても、それで日本の活力が生まれてくるというものではありません。

菅総理が、「日本の開国」と意気込むTPPも、FTPで韓国に大きく立ち遅れ、すでに周回遅れとなってしまった状況を変えようということです。長期を見通すならば、日本を開国しても、それでなにを競争力とするのかという哲学やビジョンがなければ、多くの国民にとっては無縁な話で、産業界と農業の対立というところに向かってしまいます。

経営に哲学やビジョンが求められるように、あるいはそれ以上に政治には、国民が夢や希望を感じ、国民のエネルギーの求心力となる哲学やビジョンが必要です。

各論を並べることは得意な菅総理ですが、菅総理の掲げる政策やその言語から感じる世界観の暗さが気になります。国民が求めているのは、「抗争」ではなく、「哲学やビジョン」のはずです。

では、自民党がそんな哲学やビジョンを提示できるのでしょうか。あるいはみんなの党はどうでしょう。それができる政党が生まれてこない限り、きっと不毛な政権交代劇が続いていくのではないでしょうか。

政治もマスコミも、新鮮な発想を生み出す力を失っているように感じます。政治やマスコミこそ世代交代を進め、若い世代の発想力やエネルギーに任せるべきなのかも知れません。それでも駄目ならしかたないとも感じますが。

いっそ、日本はなにを目指すべきですかとツイッターでつぶやいて見ればどうでしょう。

すくなくとも、途上国がもっと成熟しないと実現できない、日本の強みにできそうな「多様な個性」を感じることができるはずです。


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