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小沢さんがネットで語ったのに続いて、昨夜、現役総理がネット番組「マル激トーク・オン・ディマンド」にでたことは画期的なできごとだったと思います。
しかも、Ustreamの合計総視聴者数を見ると、38万人を超えていたので、いかに関心が高かったかが分かります。

見逃した方は、こちらで視聴することができます。
特別番組 菅首相生出演!総理の言葉はネットに響くか - マル激トーク・オン・ディマンド - ビデオニュース・ドットコム インターネット放送局 :

時折しも、昨日のワールドビジネスサテライトが米国で開催されている家電製品のトレードショーであるCESの会場の模様を特集していましたが、各社がスマートTV、つまりインターネットTVを全面に押し出してきていることを映しだしていました。メディアの歴史が劇的に変化していくことを象徴する出来事であったのではないでしょうか。

しかし、この番組タイトルの「菅首相生出演!総理の言葉はネットに響くか」ということに関しては、菅総理は失敗してしまったというのが、タイムラインを見ていても感じます。

社会学者である宮台さんの講義の場なのかと感じさせてしまう司会のあり方も問われる進行ではあったと思いますが、それにひとつひとつ反応してしまい、議論の主導権を最後までとれずに終わってしまったところが菅総理らしさでした。それがさらに失望感を増幅させてしまう結果となったと思います。

もちろん、マスコミが取り上げない成果について語る機会となったこと、また萎えて総理を辞めることはないという意欲を引き出せたはよかったのでしょうが、菅総理の思考方法そのものが、日本が抱えつづけてきた限界そのものだという印象を受けました。


それは各論を積み上げる改善主義です。改善主義は、かつて、欧米にキャッチアップするという目標が定まっていた時代にはうまく機能したのですが、キャッチアップし、欧米を凌駕するところまで行ったのが1980年代であり、それ以後は目標を失ったまま漂流してしまいました。

今求められているのは、新たな目標を見出すことであって、それを提示できなければ、あるいはその目標に人びとがコミットしなければ、活力は生まれず、日本は元気になりません。各論の積み上げでは、ダイナミックなパワーは生まれてこないのです。

菅総理がやるべきこととして示されている日本開国も、開国は手段であって、開国によってなにを目指すのか、開国で日本がどのように変わっていくのか、あるいは変わっていけるのかを熱く語って欲しかったのです。

目標を生み出すことは、課題を見つけ出すことよりもはるかにエネルギーが必要です。問題点や課題を見いだすプロセスでは、どんどん意見がでてきます。しかし、なにを目指すのかということになるとはたと議論が止まってしまうことを幾度も経験してきました。
またひとたび生まれた目標も、人びとの共感や、コミットする気持ちを広げていくことも、エネルギーが必要です。

「なにがやりたいか」ではなく「なにをやらなければならないか」で菅総理が語っている限り、世の中の不条理と闘うというレベルから超えていないのです。

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