
小飼弾さんが大前研一氏がアップルは失敗を繰り返しアンドロイドに負けると予測していることに反論した「2010年のAppleから学ぶべき3つ不等式」は的を射たものだったと思います。
「OSは搭載されるハードの数を拡大したところが勝つ」という大前研一氏の認識は、かつてのハードが中心であった時代の話で、現代の競争はハードだけの競争ではなく、どれだけの音楽や書籍などのコンテンツ、またアプリが集積され、便利にまた快適に使えるかに移ってきています。 競争の焦点がOSではなく、結果として得られる体験価値に移り、それを実現するためのビジネスの仕組みの競争の時代なのです。その点では、アップルのほうが今は優位に立っています。もっというなら、競争の鍵はブランドに変わってきています。アンドロイド共和国からは、いくつもの企業からいくつものブランドが登場してきていますが、ブランドパワーはブランドの数では決まりません。
小飼弾さんが、「利益>売上」の重要度で見た不等式で、株式の時価総額で比較し、企業の継続性は利益で決まるという視点をだしていらっしゃいますが、現代のようにイノベーションの速度が求められてくる時代は、なおさら投資余力の差が効いてきます。 マイクロソフトそのものは帝国としてビジネスで大成功しましたが、ハードをつくってきた企業はどうなったのでしょうか。パソコンの価格はどんどん低下し、さらに価格でしか差別化が効かないコモディティ化が進んできました。グラフを御覧ください。
パソコンを提供している大手企業の直近の決算による営業利益率の比較です。
アップルは、28.2%と群を抜いた営業利益率をあげています。パソコンでシェアトップのHPは、9.1%ですが、デルは4.1%、パソコンの台数シェアでデルを抜く勢いのエイサーは2.7%に過ぎません。もっというなら、HPからレノボの4社を合わせても、アップルが稼ぎ出した営業利益額に届かないのです。
さらに、デザインでも性能でも洗練されていると思える日本のパソコンは世界市場での存在感を失ってしまいました。価格競争に焦点が移り、ハードでの品質や機能、またデザインでの差別化が効かないからです。日本のNECは赤字からの脱出に苦しんでおり、東芝もパソコン事業はついに赤字転落してしまったというのが現実です。
そこにアンドロイド共和国に加わっている企業群の課題が見えます。もしかつてと同じようにただただハードで競争するしかない立場に追いやられると、パソコンと同じように、コモディティ化の道を歩むリスクが極めて高いのです。
つまり、アンドロイドOS同士が熾烈な競争を展開し、それが価格競争となって、台数は売れても利益がでないというリスクを抱えています。
OSが共通しているなかで、ハードでの差別化は効かないので、新しい価値を広げるイノベーションをどう起こせるかにひとえにかかっています。
グーグルやアンドロイド共和国のいずれかの企業が、アップルを超え、さらに一皮むけたイノベーションを起こしてくれるかどうかに注目したいところです。
[PR]
銀行振込もできるようになりました。
マーケティングになにが問われてきているのか、また発想の転換のヒントを事例をまじえて解説する有料メールマガジン
大西宏のマーケティ ング発想塾(毎週月曜日発行840円/月)
購読お申し込みはこちらから。
応援クリックよろしくお願いします[PR]
銀行振込もできるようになりました。
マーケティングになにが問われてきているのか、また発想の転換のヒントを事例をまじえて解説する有料メールマガジン
大西宏のマーケティ ング発想塾(毎週月曜日発行840円/月)
購読お申し込みはこちらから。

![]() 美味しい飲み比べセットあります。酒米王様「山田錦」で仕込んだ至高の飲み比べ違いを感じてみ... |
ブログ名:「Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理」
こんにちは。大前氏は、iPhoneはアンドロイドに負けると予測しています。これに対して、堀江氏は、反対しています。堀江氏は、アップルよりもGoogleの収益力が低いことを論拠として、アップルのほうが成長性が高いとしています。しかし、アップルはメーカーであり、対するGoogleは、今でも収益の95%以上が広告によるものです。通常、メーカーと比較すれば、小売業などは収益性は低いです。しかし、これは、成長性などとは何も関係なく、業種特性によるものです。Goolgの収益性についても同じことがいえます。それだけではなく、Googleのほうが、これからかなり成長していく可能性が高いことを様々な事象が示しています。詳細は、是非私のブログをになってください。