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家電エコポイントや自動車のエコカー補助金による需要刺激策は、たしかにリーマンショックによる需要の激減に対して効果を発揮し、今年は好調に売れました。
とくに地デジ化にむけた買い替えと重なった液晶テレビは、2010年1〜11月の薄型テレビの累計国内出荷台数は、前年同期に比べて約1・9倍の2000万台超えを記録。また軽自動車を除く乗用車も、1〜10月の新車登録台数で、21%増と活況を呈しました。
しかしエコポイントがほぼ半減となり、エコカー補助金がなくなって、販売に急ブレーキがかかってきています。
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2011年のテレビの出荷は、今年から半減すると予測しており、また自動車の登録台数は、10月には前年同月比28.8%減となりました。

景気の腰折れを懸念し、導入されたいずれの制度も、景気の腰折れを防ぐということでは、一定の効果があったのかもしれないとしても、いつまでも続くものではなく、結局は需要を先食いしただけに終わり、ツケを先延ばしただけです。
しかも、液晶テレビは自然な流れに任せていれば、年率30%程度の価格下落が起こってきたのですが、エコポイント特需で売れたために価格が上昇し、結局は、業界は、政府からの助成金と消費者の財布から利益を得たことになります。
 
液晶テレビやレコーダーは、まだアナログ放送が終了する来年7月の頃にまた駆け込み需要が期待できるのかもしれませんが、家電も自動車も特需から抜け出し、消費不振に向き合わざるをえなくなりました。
 
ある流通業の会社の人たちに、この夏に、今年の年末には消費の潮目が変わる、家電に奪われていた需要が戻ってくるから、年末商戦のアイデアをしっかりたてておいた方がいいとアドバイスをしましたが、その会社ではなく、あるアパレル関係の人に聞くと、12月の売れ行きは絶好調だそうです。いつもならバーゲンセールに入る時期にもかかわらず、それどころではなく、プロパー商品がいまだに動いているそうです。
消費動向を決める鍵が、もうずいぶん以前から必需的な需要から選択需要に移ってきたので、所得があがらない限り、あちらが売れれば、こちらが売れずのゼロサムゲームだったということでしょう。
 
景気刺激策の恩恵を受けたいずれの業界も、税金をつかって一息ついたわけで、その見返りとして、この間に稼いだ利益は、従業員や下請け企業にしっかり還元してくださいということですが、なかなかそうはなりそうもありません。
海外とくに途上国需要も伸びているので、しっかり海外で稼いで還元してください、国際競争を征するイノベーションを起こしてくださいとしかいいようがありません。
 
もう市場を歪める不自然な需要喚起策などはやめたほうがいいと思いますね。景気対策ではなく、時代変化を直視すれば産業の構造転換以外に道はなく、そちらに集中して欲しいものです。


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