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G20の結果、予想通りに円高が進みました。政府の無策を非難する声もいやがおうでも高まります。円高によって、国内に製造部門を抱える輸出産業には深刻な打撃となり、それらの企業の悲鳴が聞こえてきます。

しかし、経済のことには、深く足を突っ込もうとは思わないのですが、なにか打つ手はあるのでしょうか。

アメリカが、さらなる金融緩和を匂わせている限り、ドル安はさらに進行するので円は高くなります。しかし、その被害をうけるのは日本だけではありません。最初にこれは「通貨戦争だ」といったのはブラジルですが、ブラジルも通貨高の深刻な影響を受けています。
アメリカがいくら言葉を巧みに使ってもドル安を誘導し、さらに人民元がそれに連動させている限り、ドルと人民元安の影響から逃れる方法はありません。ほとんどのアナリストのG20の評価を見ても、ドル安への流れを変えることができないとしています。

円の為替変動が新聞の一面を飾ると、実際のビジネスに関係のない人までもが、為替の変動に一喜一憂することになってしまいがちですが、冷静に考えれば、日本が、考えなければならないのは、なにがなんでも円高に歯止めをかけるのか、あるいは円高時代に適した新たな戦略をとるのか、いずれを選ぶのかということではないでしょうか。

まずは、円高を阻止する方法はあるのかです。為替介入の切り札はマスコミや経済界の声を背景に、また管政権誕生のサプライズというかパーフォーマンスで使ってしまいました。
それがなければ、まだ日本はG20で各国の為替介入に対して強く主張できたでしょうが、もはや為替介入ができない状況となりました。それどころか日本も通貨安戦争をしかけた張本人としてターゲットにされるリスクも負ってしまっています。
それに、日本は先進国では、恒常的に為替介入を行っている特異な国ですが、将来下がることが分かっている通貨を買うことは、それは国民へのツケになって帰ってくるということです。事業仕分けで問題になってくると思いますが、為替特会は天下りの温床でもあり、また赤字です。その赤字がさらに膨らんできます。

つまり為替介入は、国民の借金で行う特定産業保護のためのバラマキ政策です。マスコミはもっとそのことを解説すべきだと思います。

もうひとつ言われているのは金融緩和です。それって魔法の手段のように言う人がいますが、本当に効果があるのでしょうか。日銀がいくら紙幣を刷っても、それは銀行に回りますが、現在は、企業は内部留保を高めている状態であり、資金需要がありません。結局は国債を買うぐらいしかないのでしょう。

またジャブジャブ紙幣を刷って、国民にバラマケという人もいますが、インフレで貨幣価値が下がると分かっているので、早く使ってしまおうと、消費に回るというのです。しかし、消費に流れるのはその一部で、ほとんどは株や土地に流れていきます。金や銀が買われるのかもしれませんが、資産のインフレが起こってきます。
そうなると若い世代はもう住宅が取得できないことになるかもしれません。いずれにしても効果があるという確証はありません。大きな賭けになってきます。
量的緩和によるリフレ政策 最も愚かな政策

しかし、普通に考えれば、円が高くなることは、それだけ円が強くなるということであり、強い円を生かす道もあるはずです。そちらを議論したほうが前向きだと感じます。

すでに、円高を利用した海外企業のM&Aが増えてきています。しかもかつてのバブル期のようにありあまった金で不動産を買う、あるいは、手に負えない領域の企業にまで手を伸ばすというのではなく、ほとんどが、海外への販路を広げる、あるいは、シェアを高め、グローバル市場での独占的地位を固める、さらに得意とする領域の周辺を取り込み事業の相乗効果を狙うという堅実なM&Aが目立っています。こういった動きは、それぞれの企業の国際競争力を高めていく動きです。

円高は製造業の海外移転を進行させますが、しかし経済がグルーバル化している今日、高付加価値であり、高度な技術の海外移転を望まないような分野でない限り、工場の途上国への海外移転は自然な流れです。たとえ少々の円安になってもそれを阻止するのは無理な話です。人件費を途上国並みにすれば別でしょうが。

むしろ、サービス産業の生産性を高めることのほうが、健全な流れなので、製造の空洞化は、産業構造を変えていく流れを生み出すかもしれません。

それは時間がかかります。しかし、そういった危機が訪れない限り、工業化社会から抜け出せず、産業転換に遅れた日本にとっては好機だという見方もできます。円高を利用して将来につながる海外資産を買い回るということもできます。それのほうが海外は円高の脅威を感じ、結果として円安誘導への国際的コンセンサスができる可能性がでてきます。

いずれにしても、そろそろ円高による危機を強調するだけでなく、円高を前提とすれば、日本はどうすればいいかという議論がもっとあってもいいのではないでしょうか。

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