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たまに食事する店でお目にかかる金型メーカーの若い経営者の人に、円高の影響があるかと尋ねると、そよれりも、尖閣問題での日中の摩擦が起こり、納期が読めなくなったことが原因で、仕事が戻ってきているという意外な答えが返ってきました。
尖閣問題をめぐっての輸出規制ともとれる税関検査の厳格化で納期が遅れ、中国企業に発注するリスクが認識されるようになってその会社にとってはよかったというのです。

さて、この反日騒動については謎が多いように感じます。日本では、中国の周辺都市で起こった反日デモ、また日本の自動車、店舗などの施設が襲われた騒動が大きく報道されています。

しかし、この間に気づいたことは、不思議なことに、米英の新聞は、尖閣をめぐっての領土問題での政府間の摩擦や、米中間の「通貨戦争」の行方、あるいは劉暁波(りゅうぎょうは)氏がノーベル賞を受賞したなどは報道しても、今回起こった反日デモについてはほとんど記事が見当たりません。

念のため検索してみたのですがやはりありません。サーチナでは、英BBCやAFP通信、ロイター通信なども取り上げたとありましたが、調べてみると、ロイターが「日中双方で抗議のデモ」というスライドで報じているのと、AFPが時事通信社の記事を流しているに過ぎず、またウォールストリートジャーナルも、「中国での反日デモ、日中間の緊張示す」というひとつの記事にとどまっています。海外からすれば、中国のローカル都市で起こった事件であり、あまり関心がもてないのでしょうか。
日中両国で大規模な反中・反日デモ…海外メディアも報じる(サーチナ)

もうひとつの謎は、なぜ領海問題があれだけの反日騒動になるのかです。中国の上海などの駐在する日本の人のブログでは、ほどんど現地の人たちは尖閣問題に関心がなく、上海万博のもっとも待ち時間が長いのが日本館だというのですから、その温度差の大きさは違和感があります。

中国内部でなにかが起こっているのではないかと以前に書きました。(中国内部できっとなにかが起こっている) 今回の中国周辺都市で突然起こった反日デモは、中国大使館への尖閣問題や劉暁波氏の開放を求める抗議デモが契機となったといっても、別に中国大使館が襲われたわけでもなく、それが口実として利用されたという格好です。
ネットでのデモ参加を呼びかける書き込みがつぎつぎと消される中であれだけの騒動が起こったということは、普通に考えると、香港のメディアが報じるように、それを煽り、準備した組織の存在をうかがわせます。

むしろ、15日から今日まで開催された中国共産党第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)というタイミングとの関係を想像するほうが自然ではないでしょうか。

サーチナによると、小沢さんが求め天皇との異例の謁見を行った例の習近平氏の後継者としての地位は揺ぎないとしても、軍事委副主席就任が見送られるかもしれないという記事がありました。すいぶん不自然なことです。
習近平氏の軍事委副主席見送りか、「先軍政治」の放棄?内部抗争が激化?―中国

副主席就任内部での後継者移行に対してはそれに対する抵抗勢力があり、合意がとれるところまでは行かなかったのではないかということですが、それが事実だとすると、党の改革に抵抗する人たちが、政府中央の統制がとれない周辺部で騒動を起こしたというのもあながち的外れな推察ではないと感じます。

それは想像するしかないのですが、根っこには、地方では大学生の働く場がなく、仕事が無いという不満、沿岸部の大都市との格差への不満の根深さを、今回の反日騒動からは伺えます。

国内での不満が、江沢民時代の反日教育の歪から、反日感情となっての現れ、騒動になるというのは日本にとっては、理不尽なことですが、中国政府も押えきれない問題を日本側からはどうしようもありません。というか、尖閣での最初の処理が稚拙であったということでしょうか。

しかし、こういった反日騒動は、今の若い世代の人たちは、中国や韓国の反日騒動しか経験がなく、その理不尽さに怒りを覚えるでしょうが、かつての米国での日本叩きはそれに匹敵するものだったように思います。日本企業が襲われることは、当時は輸出ばかりで現地への企業進出がまだ多くなく少なかったなかったのですが、当時米国に駐在していた日本人は外出させてもらえない状況が長期に続くという事態も起こり、人びとが日本製品を大量に集め、それらを路上でたたきつぶし、日の丸も焼かれる光景が繰り広げられていました。

それがどうでしょう、日本企業が米国に進出するようになり、日本企業が米国の雇用をつくったことと、日本の経済が停滞することで日米摩擦は消えていきました。
韓国の反日騒動も、ワールドカップの共同開催やその後の韓国経済が好調になったことですっかり姿を消しました。

かつての米国での日本叩きは、経済で打撃を受け、職を失った人びとが、日本への怒りをぶつけたのですが、今回の騒動も、中国であれだけの騒動になったというのは、地域経済がうまくいっていない不満が渦巻いているということでしょう。

三点目の不思議は、通貨問題で米国との関係が微妙になっている中国が、G20を控えたこの時期に、海外との摩擦を起こすことは得策ではありません。

貿易依存度が極端に高い中国が外交で問題を抱えることは、本来は得策でなく、中国内部の政治が安定すれば、やがて状況は収まるものと思います。収まらなければ、世界の中国への警戒感が高まり、企業も、資本も逃げていくだけです。
おそらくただでさえ、通貨問題で微妙な軋轢が生まれつつある米中関係であり、米国での中国への警戒感がさらに高まる要因にはなるものと思います。中国政府が抑えようとしても、こういった騒動を抑えられないこと、また反日感情を理解できるとしたことです。それだけ支配力が落ちているということでしょうか。

国内の不満を外国に向け、排外主義に走る、あるいは起こすというのはよくあることですが、やがては国と国の関係は経済の依存度、つまり損得でで変わってきます。中国にとっての最大の輸入国が日本であり、輸出品で大きなウェイトを占める電子機械では、日本の部品や素材、また製造設備がなければ成り立たないのが現実である限り、こういった騒動はやがては政府が収めなければならなくなってくるはずです。

さて、軍事で対抗できない日本にとっての最大の武器であり切り札は、技術であり、ビジネスです。その技術やビジネスのイノベーションが活発であり、日本がパートナーとして欠かせないとなれば、日本を無視することはできません。
逆に、技術やビジネスのイノベーションで先行できず、経済が停滞すると、やがて日本の存在感も薄れ、外交力も落ちていくことになり、もっと厳しい状況が訪れることになります。

いずれにしても、日本は中国のリスクの高さを今回の一連の摩擦のなかで学習したわけで、輸出入ともに貿易相手国が中国である限り、極端な政策は日本経済の命とりになりかねませんが、なんらかの軌道修正が求められてきます。とにかく成長する中国へ向かう加熱した状況にも変化が起こってくるはずです。それがどのようになっていくかは、もう少し時間を要すると思いますが、いずれにしても騒動が収まっても、潜在的なリスクが消えるわけではありません。

中国の強行な態度や反日騒動への怒りは、中国と同じ土俵乗らず、中国というリスクの高い市場に偏らず、世界に通用するような、日本の成長戦略を実現するエネルギーにこそ向けて欲しいと切に願います。

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