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ソニーの「プレイステーション」などに使用されたソフトの情報を読み取る装置に関する発明対価が、知財高裁で一審を覆して認められたものの、請求額一億円に対して512万円でした。開発者側の貢献度を3%としたものです。事情はわかりませんが、印象としては、低すぎるのではないかと感じます。関連記事を見ると、キヤノンのレーザープリンターなどのビーム精度を高め、画質を向上させる特許技術の発明が228万円。 半導体の回路製造技術を発明した日立製作所の元社員は、6億円の請求が6300万円。

プレステ発明対価は要求1億円が「512万円」に 知財高裁が支払い命令プレステ発明対価は要求1億円が「512万円」に 知財高裁が支払い命令
元社員の発明対価2百万円 キヤノンに支払い命令
半導体特許の発明「元技術者の貢献は4%」 日立に対価支払い命令

それぞれ、実際に貢献度がどうだったかを知る由もありませんが、一般的に見て、発明での個人的貢献が一桁の数%というのは実感から異なり、どういう根拠でそう計算されたのかが気になります。
開発も製造現場と同じ、集団の知恵だという発想であれば、創造の芽は育ちません。有能な人は、それこそ海外企業に移籍したほうが、高い評価を受けるということになり、頭脳の流出が加速されます。

日本がモノづくり、つまり製造というひとつのプロセスだけこだわっていると、生み出されてくる付加価値はどんどん下がり、国民の所得は限りなく、途上国と同じ水準に近づいていきます。今朝のテレビで、辛坊治郎さんが、うっかりでしょうが、1000円のシャツを売ったとしても、いまや原材料も、製造もほとんどが海外に移ってしまい、日本としては100円の付加価値しか産みだせなくなったという例をだしていましたが、この認識は大間違いです。そういった「モノ価値」は、場合によっては逆に100円とか200円でしかなく、機能繊維などの基礎的な発明、風合いを出す糸の技術、デザイン、ブランド、物流、販売が占める価値の方が大きいというのが実際のところです。

ほんとうに日本が強みとすべきはなになのか、安易にモノづくりだと決めつけず、価値を生み出す人々を正当に評価するコンセンサスや風土に変えていかないと、それこそ「ゲゲゲの女房」ではないですが、「妖怪いそがし」の魔の手から抜け出せないのではないでしょうか。

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