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竹中平蔵教授が、「日本を見捨て始めた企業」というセンセーショナルなタイトルで日経のコラムを書かれています。それにつられて読むと、アサヒやキリンのアジアでの企業提携、パナソニックのインドでの販路再編などを取り上げたものですが、いずれの企業の事例も、日本を見捨てたという表現は正しくないでしょうし、コラムを読んでも、それぞれの企業が日本を捨てたという具体的な話はどこにもでてきません。
日本を見捨て始めた企業(※有料版かもしれません)

それらの企業が海外戦略を強化しようというのは当然の流れです。例えば、キリンやアサヒにしてみれば、本業のビールや清涼飲料で、猛暑の瞬間風速でそれらが爆発的に売れたとしても、長期的には、国内市場は、緩やかに縮小傾向をたどっています。確かに景気の影響もあるでしょうが、若い世代の人口が減ってきていることや、ライフスタイルの変化の影響も大きいことは言うまでもありません。

すでに国内市場は成熟しており、そこで激しいシェア争いが展開してきたのが現状です。それでは、相手が事業から撤退でもしない限り、売上げも、収益も伸びません。成長戦略を描くとすると、多角化によって、より収益性や成長性の高い事業に進出するか、市場が急拡大しているアジア市場へと地域を広げようとするのは自然な流れです。

パナソニックにしてもそうでしょう。環境を軸としての事業を伸ばすとしても、国内市場だけを狙っていると、また過当競争の罠にはまってしまいます、未開拓であるアジアを抑えて規模の経済効果を狙うというのも、常識的な発想でしょう。

さらに、グローバルな市場展開をはかるためには、逆に、それぞれの進出先でのローカル化が必要になってきます。当然現地生産化も進みます。ローカル・マーケティングでサムスンに遅れをとった日本の情報家電が、見事なまでに敗北してしまった例もあります。工場はあっても、日本人の管理職で固めてしまったために、労働争議を起こしてしまった自動車部品工場の例もありました。

したがって、このコラムの次のくだりは、当然の流れといえます。
2010年度の海外設備投資は実に35.1%の増加となることが明らかになった。国内投資も3年ぶりの増加となるが、それでも増加幅は6.8%程度である。成長がより期待できる海外での現地生産が一層進みつつある。
竹中教授は、そういった企業の海外進出を歓迎しているとしながら、「市場の声を無視した政治の停滞は、企業の海外移転の速度を明らかに上げつつある」とおっしゃるのですが、これらの動きと政治の停滞がどう関係しているのでしょうか。よくわかりません。まあこういった展開が竹中節なのでしょうが。

むしろ、日本の企業のなかには、海外市場よりも、国内市場が価格、流通との力関係などの条件で有利であるために、グローバル化に遅れた企業が多く、国内市場の停滞で、やっと取り組みが増加してきているということではないかと感じます。政治の停滞はむしろよかったとも結論を持っていくことができます。

アジアという地域戦略で成長の活路を見出そうという時代の流れがありますが、それは面の拡大です。短期的にはそれで凌いだとしても、長期的には、やはり産業の生産性をどのように高めるか、つまり企業の収益力をどう高めるかという奥行きを深める戦略が必要になってきます。でないと日本の競争力の強化にもならず、ますますアジア化し、低収益、低賃金化にむかっていくことになります。

どうすれば、より付加価値の高い新しい産業が生まれてくるのか、どうすれば、産業の新陳代謝を促進できるのか、そちらのほうが本質的な課題ではないでしょうか。

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