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先天的に酒が飲める人の割合を示した「全国酒豪マップ」がちょっと前に日経で紹介されていました。筑波大学の原田教授が、北海道から沖縄まで五千名以上の日本人を対象に、遺伝子を調査した結果です。九州や沖縄、そして北海道や東北の人たちは、酒に強いと言われていましたが、やはりそのとおりで、酒豪の遺伝子を持つ人の割合が多いことがわかりました。

“酒豪”どこに多い? 「全国酒豪マップ」の謎


酒豪マップ

※図は日経上記記事より引用

それはそれで面白いのですが、さらに面白いのは、この分布が、日本にやってきた渡来人の子孫の分布や渡来人が帰化しながら、どのように広がっていったかのルートも物語っているということです。なぜでしょうか。

これは壮大な遺伝子の物語になります。もともと、人類は誰もがお酒を飲めたのですが、今から、二万〜三万年前のモンゴル高原で突然変異が起こったといわれています。お酒を飲むと、アルコールが、いったん悪酔いの成分であるアセトアルデヒトに変わりますが、それを分解できない人がひとり生まれたのです。
その人の遺伝子がD型といわれるのものです。だから、酒を飲めない、下戸だという人が持つ人の祖先をはるか昔にたどると、モンゴル平原で生まれたたったひとりの人に行き着きます。

欧米の人やアフリカの人では、このD型遺伝子を持つ人はまずいません。しかし、その突然変異の遺伝子は、黄色人種、特に東アジアに広がっていきます。D型遺伝子を持つ人は、日本で46.3%%、中国で41%、韓国では28.4%ですから、中国や韓国よりも、日本の方が血を引き継いだ人が多いのです。日本にD型の遺伝子を持ち込んだのは大陸から移り住んできた渡来人です。ここまではこれまでも分かっていたことです。

しかし、原田教授の遺伝子調査で、さらに渡来人が、古の政治の中心部に向かって移動し、帰化し、その子孫がどのように広がったかの様子がイメージできるようになりました。

日本は、大陸や半島から文化が流れてきて、それを継承し、さらにアレンジし、洗練させたばかりでなく、人も移動してきて、民族としてもハイブリッドな歴史を持っていることがうかがえます。しかもその地域差が結構大きく未だに残っていることには驚きます。

壮大な歴史のロマンを見るようでもあり、一言で日本人と言っても、ルーツは、ハイブリッドであり、それも日本人のアイデンティのひとつだというのが面白いところです。

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