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ユニクロ型デフレと国家破産 (文春新書 759)
著者:浜 矩子
販売元:文藝春秋
発売日:2010-06
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本が届きました。献本ありがとうございました。タイトルにちょっと不思議な言葉が書かれていました。ユニクロ型デフレ?ユニクロ型ビジネスモデルとか、「ユニクロはなぜ儲かるのか」ならわかりますが。

著者の浜教授がおっしゃるには、ユニクロの990円のジーンズが象徴的な出来事で、さらに「安売り競争を可能にしている極端なコスト圧縮が、労働者の賃金切り下げと直結」しており、安売り商品競争に参入することは、自らの首を締めることに他ならない」そうで、「企業は激烈な安売りという大出血サービスを行うことによって販売量を確保している」ということだと断罪していらっしゃいます。

さて、本当にそうでしょうか。ちょっと乱暴な議論だと感じます。書かれている前提に、ユニクロが賃金を圧縮し、体力を削って安売りをしているという思い込みがあるのではないでしょうか。現実は違います。

2009年のファーストリテーリング売上高経常利益率は、18.9%で、体力を削るどころか立派な高収益企業です。
ニトリはどうでしょうか。2010年2月期の経常利益率は、16.6%です。体力を削っているでしょうか。スエーデン企業といえば、H&Mやイケアを思い浮かべますが、いずれも、価格はとことん安いですが、高売上、高収益型企業です。

それらの企業に共通しているのは、製造小売で、企画、原材料調達、販売は自ら行い、生産は海外の安い国で行っていること、情報システムで武装し、業務が標準化され、効率化されていることです。つまりビジネスのしくみで低価格を実現し、高収益を実現しているのです。

では、百貨店やチェーン店の弁当激安に、価格を安くするビジネスのしくみはあるのでしょうか。客を奪い合う厳しい競争があり、集客のために、それこそ浜教授がご指摘のように、利益を削り、大出血というのも普通です。ユニクロなどのビジネスとそれらを同じ土俵で論じることはできません。

この本の趣旨とははずれた書評でしょうが、ユニクロ型デフレって理解ができないのです。デフレの原因はもっと違うところにあるように思います。

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