
牛丼戦争は、いよいよ最終ラウンドにむかっているように感じます。吉野家の5月の既存店売上高は、15ヶ月連続の前年割れというだけでなく、4月の一時的な値下げキャンペーンの反動で、前年同月比13・9%減、客数も13・5%減と、いずれも大幅な減少となったようです。一方のすき家は、まだ5月の月次情報は発表されていませんが、4月は既存店の客数が前年比37.9%増で勝敗は決まった感があります。
外食チェーンは、一部の勝ち組を除いて厳しい状況であり、市場が成熟し、成長が止まると、当然熾烈なシェア争いになります。どのチェーンもいい立地を確保し、売上げを上げたい、しかしいい立地は先に出店したライバルが抑えているために、出店しようとすると顧客の争奪戦になります。
その争奪戦に吉野家は、負けてしまいました。厳しい現実です。吉野家にもファンがいるとしても、吉野家でなければ駄目だというロイヤルカスタマーよりは、政治の世界でいう浮動票としての顧客が多いために、メニューや価格で優位に立ったところがどんどん顧客を奪うというメカニズムが働いてきます。
しかも吉野家は、米国産牛肉に頼っており、コスト的にも不利さがあり、価格では対抗し続けることが難しいのでしょう。にもかかわらず、客数減、売り上げ減にたまらず、価格で対抗してしまったのは戦略ミスだったと思います。価格だけでなく、メニューでも他社に遅れをとった吉野家ですが、メニュー強化も行ったものの、種類ではまだすき家に勝てていません。
吉野家は、平成22年2月期の連結決算で赤字となり、さらに売り上げ減が続くと、企業の体力が問題になってきます。手持ちのキャッシュが、年々減少してきており、思い切った手段を取ることも困難になってきているものと思います。資金力が劣ると、設備への投資だけでなく、広告やプロモーションもままならないということになります。
そこで、6月から「うな丼」の期間限定発売を行い、巻き返しをはかろうとしていますが、顧客流出にどこかで歯止めがかかるのかは不透明です。試食していないのでわかりませんが、売り文句が「ふっくら とろける」では弱いように感じます。
きっともっと根本的な改革が求められているのだと思います。今のままでは競争に勝てません。新しい発想が必要でしょうが、ビジネスのしくみを変えるだけのゆとりもなくなったと思うだけに、牛丼でも、牛丼以外でも、本気でキラーコンテンツとなるような一品を開発すること、それよりは競合が持っていない新しい意外性のあるカテゴリーの開発に集中してみることではないでしょうか。
鍵は、そういったメニュー開発ができる人材を外部で見つけ出せるかどうかにかかっているように思います。これまでの開発体制では、勝てるメニューが生まれてこなかったわけですから。味や品質にこだわるのはいいのですが、古い発想や体質にこだわっていると生き残ることも危うくなりかねません。
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