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レナウンが数十億円で、中国の繊維メーカー「山東如意」の傘下に入ることで調整が進められているという記事が流れていました。そのことについてアゴラに投稿したのですが、原稿を書いた時から、かつてのレナウンのCMが頭のなかぐるぐるリフレインして消えないのでこちらでも取り上げることにしました。
レナウンのバーゲンの目玉は会社そのものだった

  「ワンサカワンサカ、イェイイェイイェイ」というレナウンのCMを記憶している人は多いと思います。60年代に弘田三枝子の歌で大ブレークし、90年代まで、バージョンを変えながら続くという息の長いCMでした。だから幅広い世代の記憶に残っている貴重なCMソングのひとつだと思います。 初期の頃はアニメーションで、「ドライブウェイに春がくりゃ」ではドライブのシーン、「プールサイドに夏がくりゃ」ではプールのシーン、秋はテニスコートで、冬はロープウェイのシーンとなるというものでしたが、youtubeにも残っておらず、やっと弘田三枝子の「ワンサカ娘」の映像の隅に小さく映っているのを見つけました。



きっとその頃は、アパレル業界も市場セグメント別のブランド展開よりは、企業ブランドが中心だったのでしょう。そういえば、細川俊之さんのラジオ番組で、ワールドのCMが流れていたのも記憶に残っています。あのCMでワールドも大成功したと聞いています。 ブランドの知名度が勝負の時代。知名度が高まり、ブランドの信頼度が高まれば売れという時代だったのでしょう。

 しかし、その後にアパレルの消費構造が大きく変わります。消費トレンドが激しく変化し、しかも、ライフスタイルや価値観をブランドにも求められるようになってきます。 そのブランドがどのような価値を持ち、どのようなカテゴリーのトップなのかが明確でなければ売れない時代になりました。ブランドは、それぞれの人にとってのアイデンティティそのものとなりました。だから価値観や嗜好が多様化するにつれ、ブランドはどんどん分解され、分散していきました。

 では今はどうでしょう。今でも流行トレンドはあるでしょうが、かつてと比べると比較にならないぐらい相対的で、なんでもありです。 アパレルのブランドで自らを表現するのではなく、アパレルは、あくまで自分を表現するパーツでしかなくなってしまった時代です。 だから部品としてのユニクロが売れ、またH&Mなどのファストファッションが売れます。 ブランドを分散させてきた日本のアパレル業界にとっては、そういったファストファッションに比べると効率性で落ちるためにどうしても不利になってきます。 そういった時代の大きな変化はともかく、ほんとうにレナウンのワンサカ娘は、高度成長期の時代の空気を感じさせてくれる懐かしいCMソングです。ちょうど高度成長に湧く中国なら、ぴったりのCMソングなのかもしれません。

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