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電子出版に関して、総務、文部科学、経済産業の3省が、電子書籍の普及に向けて官民共同の懇談会をスタートさせました。
それはいいのですが、驚くような日経の記事がありました。この日経記事は、電子出版に関して正しいことを伝えているのだろうか、書いた記者は電子出版について理解しているのだろうかという疑問を感じます。
電子書籍に統一規格、流通や著作権を官民で整備
国内での流通や著作権に関する共通の規格作りを目指す。米国ではアマゾン・ドット・コムの情報端末「キンドル」が急速に普及する一方、日本での電子書籍への対応は遅れている。国が関与して国内ルールを整えることで、中小の出版業者の保護を図る狙いがある。
電子書籍の形式は各メーカーが定めており、共通のルール、規格がない。端末ごとに読める書籍が限定されるほか、「資本力で勝るメーカーに規格決定の主導権を握られると、出版関連業界は中抜きにされる恐れがある」(総務省幹部)との指摘がある。出版物の管理コードにあたる「書誌データ」も統一規格がなく、一連の基礎的な環境整備が検討課題になる。

さっそく、ブログ「経済学101」さんが、以下の4点で疑問を投げかけていらっしゃいます。
ゝ格統一の狙いが中小の出版業者保護という点
日本だけでしか流通しない独自規格を官民で整備する意味
N通の一部が「中抜き」されるのは当然で政府がそれに関与する点
ず談会のメンバーの高齢な年齢構成と業界構成の問題
電子書籍統一規格(経済学101)

しかし、実際に総務省資料のこの懇談会の目的や主旨のなかにはそういったことはいっさい書かれておらず、検討事項は以下の3点となっています。

(1)デジタル・ネットワーク社会における出版物の収集・保存の在り方
(2)デジタル・ネットワーク社会における出版物の円滑な利活用の在り方
(3)国民誰もが出版物にアクセスできる環境の整備

規格問題は、技術ワーキングチームで「配信プラットフォームの整備や利用フォーマットの在り方といった技術的問題は、専門的見地から検討を行う必要がある」とされているだけです。

日経の記事のように、裏の意図や結論ありきなのかどうかは分かりませんが、すくなくとも電子出版に関しては理解していないことだけは分かります。フォーマットはなんら統一する必要はありません。個人なり、出版社が組む相手にあわせて、フォーマット転換をすればいいだけのことです。

それよりも著作権を保護と読者の利便性のバランスをどう取るのかと、著作権をどう管理するのかのほうが重要でしょう。たとえば、電子ブックリーダーで購入した書籍を、PCにも保存しておきたい、スマートフォンでも読みたいというのがユーザーの気持ちでしょうが、そういった二次利用をどこまで容認するかとか、ユーザーからすれば引用しやすくなるけれど、時々ブログでもそっくり記事を盗用されることがあるように、どこまで引用を許すかとか、こまかなせめぎ合いのなかに本質がありますね。

まったく理解不能なのは、「中小の出版業者の保護を図る狙い」とか、「中抜きされる恐れ」とかの問題です。印刷される書籍でないのだから、印刷業者も、書籍の物流業者も、本を並べる書店も不要になるのは当然で、紙の書籍を守るために「価格」の規制でもやろうというのでしょうか。出版社も淘汰の荒波は受けるでしょうが、編集から販売までのコンサルテーションやマーケティングの役割を果たせるところは残るのでなんら問題ありません。

この懇談会で気になるのは、メンバーの構成です。いかにも年齢が高すぎます。しかもほとんどが供給側の人びとであり、ユーザー側の立場に立てそうな人が少なすぎるのです。電子書籍が護送船団方式になってしまっては困ります。
年齢が高くとも、ネット社会やデジタル社会に適応している人はいらっしゃるとは思いますが、どうメンバーを眺めてもそんな香りがしません。詳しくは、「経済学101」さんのブログをお読みください。まったく同感です。

電子書籍革命は、誰もが出版できる環境、誰もがよりも便利に、またより安く書籍を読める環境、それを通してより豊かな文化づくりや知識社会を築くことを目指すものでなければなりません。また、参加する人たちが、そんなゴールを目指して、切磋琢磨し知恵を競い合うことで、産業も発展していくのだという哲学をもって望んでもらいたいものです。

政府は、ユーザーの利益の側に立つべきです。そのことがかえって電子書籍の普及が早まり、また産業を発展させます。既得権をもった人びとの過度な要求や干渉の防波堤となり、フェアな競争がおこなわれる環境をつくること、著作権問題とユーザー便益との調整を行うこと、あるいは著作権の切れている図書館の蔵書などを家庭から、いつでも閲覧できるような公的なしくみづくりを促進することが政府の仕事ではないでしょうか。


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