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先月、読売新聞で首を傾げる記事がありました。記事タイトルは、「国家公務員、65歳まで勤務なら人件費2割増」というもので、まるで、いまのままで天下り制度を続けろといわんばかりです。
かなり悪質だと思うのは、ひとつは天下り先の独立行政法人の人件費は、カタチを変えて国が負担しているわけで、それに関しては触れられていないことです。
50代半ばで「肩たたき」を行い「天下り」させることは、見せかけの公務員の人件費を押さえているにすぎません。

もうひとつは、最後にちらっと「早期勧奨退職を廃止しながら総人件費を削減するためには、給与水準か新規採用数を抑制する必要があるが、いずれも実施は困難視されている」と書かれていますが、現在の公務員の給与水準や給与制度についての問題をあわせて報道すべきですが、やはり新聞社と官僚組織はもちつもたれつなのかと感じてしまいます。
国家公務員、65歳まで勤務なら人件費2割増


日本は国際的に見ても公務員給与が高すぎるといわれています。公務員の平均年収は「ドイツ 355万円、イギリス 410万円、カナダ 320万円、フランス 310万円、アメリカ340万円になります。国によって公務員の仕事の違いがありますが、それでも日本の公務員の平均年収はほかの国々よりほぼ2倍」だそうです。
日本と世界の公務員平均年収


国内で民間と比較しても、公務員の年収は突出しています。国家公務員で662.7万円、地方公務員の平均年収は728.8万、独立行政法人732.6万円です。民間の平均年収が、434.9万円で、上場企業平均でも589.3万円に過ぎません。安い宿舎などのフリンジベネフィットを考えると、もっと民間との格差は大きいはずです。
年収ラボ

さらに、問題は官僚の人たち、天下った人に至るまで「取れる金は取れ」という悪質なDNAが流れていることです。独立行政法人で働いていた時に知った矛盾から、ジャーナリストとしてこの問題に取り組んでいらっしゃる若林亜紀さんのこの一冊を読めば、そのDNAがどのようなものかがよく分かります。「独身手当」にはため息がでますが、読んでいるともう笑ってしまうのを超えて、人間の性というか、悲しさ、哀れさすら感じます。
もう政治なり、外部から矯正するしかありません。人事院ではなく、プロの人事コンサルタントに任せば、制度設計はすぐにでもできるはずです。

独身手当―公務員のトンデモ給与明細 (新潮文庫)独身手当―公務員のトンデモ給与明細 (新潮文庫)
著者:若林 亜紀
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よく日本は「年功序列」で、それが社会を硬直化させているとおっしゃる人がいますが、民間レベルでは、40代〜50代でピークとなり、それから年収が下がるという、ほぼ欧米に近い賃金カーブになってきています。
すくなくとも民間では、「年功序列」はすでに修正されてきており、硬直化の問題は別のところにあるということです。つまり産業構造や競争原理が大きく変化したにもかかわらず、発想転換ができない体質がなぜ残っているのかを考えるべきです。

しかし公務員の給与制度は違います。給与が下がらないのです。それに手をつけ、修正を行っていこうとすれば、給与と資格をあわせた抜本的な人事システムを変える必要がありますが、「天下り」が高齢者の給与を高止まりさせるしくみであることに注目すべきです。年齢で自動的に給与があがる、あるいは高止まりすることは、若い人たちの人件費を圧迫することになり、世代間対立を生んだり、高齢者の働く機会を奪うことになるので、健全ではありません。

もっと省庁の間で人事の流動化を進めることや、公務員の給与制度、人事制度に思い切って手をつけることが、公務員の活性化にもつながるはずであり、それはもう待ったなしで、もっと野党もそれについて切り込むべきではないでしょうか。
またまずは、公務員の給与を常識的な範囲に収めないと消費税問題も国民の納得は得られそうにありません。


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