大西　宏のマーケティング・エッセンス : ミスタードーナツ＋モスバーガー＝モスドはプラス効果か？

２００８年に、ダスキンとモスフードサービスは資本提携を行い、共同プロジェクトをスタートさせ、これまでも、仕入れや配送、また店舗物件情報や品質管理ノウハウの交換、商品開発の共同化が進められてきたようですが、いよいよ広島で業態をミックスした「ＭＯＳＤＯ」が四月に広島県の府中に登場するというニュースがありました。「２０１１年３月までに東京と大阪に１店ずつ出し、全国展開も視野に入れる」（朝日）とのことで面白そうです。

ファーストフードチェーンでは、マクドナルド一人勝ちといってよい状況が続いています。さらに、直営店体制からフランチャイズ体制へと大きく舵を切ってきており、それから生じる資金的なゆとりで、マーケティングの攻勢がさらに強まってくることは予想に難くありません。
当然、足踏み状態のミスタードーナツとモスバーガーが、危機感を募らせ、競合しない両社が手を組むというのも自然なことです。
ミスタードーナツからすれば、飲茶が主食としては中途半端であり、ハンバーガーが欲しいところ、またモスバーガーは、デザートの弱さをカバーしたいところでしょう。

素直に考えれば、モスバーガーは主食、ミスタードーナツは副食で、ひとつの店舗で一緒にやれば、それぞれの空きの時間帯を埋めていくことができ、客数を増やし、また売上アップの効果も期待できます。
良いことづくめのようですが、それぞれの客層の違いがどうか、また、どのように店舗のコンセプトになるのかが気になります。コンセプトが明確でなければ、ブランドイメージも曖昧になってしまいます。これは１＋１＝２とはいきません。
モスバーガーと言えば、同社の理念である「おいしさ、安全、健康」が色濃くでていますが、ミスタードーナツといえばもっとカジュアルで、ＯＬのひとがタバコをくゆらせているというイメージとか、オジサン除けのカワイイ景品の陳列とかのイメージがありますが、どうでしょう。ちょっとシンボルロゴタイプからは想像がつきません。中途半端にならないことを期待したいところです。

実際の店舗ができればきっと広島発で、Ｔｗｉｔｔｅｒやブログを通して情報が入ってくるでしょうから、今からウォッチングリストに入れておきます。

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