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「たこつぼ」現象という言葉があります。嗜好や考え方、また当然、関心事が近い人たちが集団となって、独特の世界をつくり、その世界のなかにひきこもることです。

社会現象を語る言葉として、この言葉が登場したのはいつの頃からだったでしょうか。おそらく1980年代あたりだったと記憶しています。人びとはそれぞれのライフスタイルや好みで分衆化し、お互いい別個の世界で生きはじめている、だからマスとしての市場はどんどん分断化されてきていると言われ始めたころでした。
その後、企業や業界の特殊な文化やものの見方へのひきこもりを「たこつぼ」として表現されることもありました。


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そしてつぎは、ネットがもたらしてきた「たこつぼ」化です。切込隊長で知られる山本一郎さんが『ネットビジネスの終わり』のなかの「ネットは人びとを分断する」でこのことついて触れられています。
ネットは自由に情報を閲覧する能力を人に与える。その一方で、ネットは人が見たくない情報から遠ざかる自由も与える。必要とする情報が増えれば増えるほど、際限なく延々と深化された情報を個人は獲得し続ける。その蛸壺化した情報に追い立てられた個人は、周囲の状況がどうなっているのか、関心外の情報がどのように流通しているか、知るきっかけを与えられることはない。
ある大学教授が、アメリカの新聞がネットで見ることができて便利になったが、紙面では関心事でない情報も見ていたのが、関心のある記事しか見なくなり、以前より、アメリカの動きが見えなくなってきたというのも同じことでしょう。

確かに、ネットは人びとを分断化し、また分断化された人びとがどんどん「たこつぼ」に集まり、また深みにはまっていくという現象を生み出してきました。

掲示板文化がその象徴かもしれません。そしてその特殊性が数字としてわかるのはニコニコ動画の「世論調査」です。それは、ニコニコ動画に長時間滞留する人たちの考え方が色濃くでてきて、つねに、他の世論調査とはかけ離れた結果です。しかも、その「たこつぼ」にいったんはまると、それが正しく、世間が間違っているという錯覚も生まれてきます。

また、はてなの近藤さんのブログのなかにも、はてなの「たこつぼ」化を懸念するエントリーがありました。
たこつぼ

ただ、どうなんでしょうか。それは一面ではないかという気がします。ネットの世界は、興味、関心のある情報へ、そしてそれを分かち合える人びとが集まるところへと導く強い作用もあることも事実ですが、これまでは、知ることもなかった、仕事や世代を超えた、思いもかけない情報や人びとを知り、情報で、あるいはネットで、さらにリアルな世界でつながりあうという「際崩れ」の現象もでてきているのも事実です。
人びとの垣根をこえてつながりあうという力がネットにはあるということも否定できません。自らの考え方と異なる人たちの発言を許容して見る、あるいは好奇心を持つということがなければ駄目でしょうが。

ただ言えることは、このふたつの作用、あるいは誘惑がネットでは交錯しあっているということです。どのようにして、膨大な情報の海をうまく渡っていくかという知恵が必要になってきているということですが、ツイッターは、誰をフォローするか、うまく人を選び、フォローすれば、おっ、そんなことが起こっているのか、こんな風に考えている人がいるのだという発見をますます容易にしてくれます。そして、そこに張られたリンクを辿っていくという新しい流れが生まれてきているのではないでしょうか。
どちらかというとブックマークやRSSリーダーは、「タコツボ」化を深めがちですが、ツイッターは、スクランブルしてくれたり、違う刺激があって、なかなかいいなと感じている今日この頃です。

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