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マクドナルドの1月の月次レポートが発表されました。全店売上高が対前年比で11.3%の二桁増です。

もちろんBigAmericaキャンペーン第一弾のテキサスバーガーのヒットが大きいことは言うまでもありません。しかし、それだけを見ていると、マクドナルド快進撃の秘密は見えてきません。マクドナルドに見習って、テキサスバーガーのようなヒット商品をつくれと号令をかけても、一朝一夕にヒット商品が生まれてくるわけではありません。

テキサスバーガーしかし、マクドナルドの実績を月別に追いかけてみると、面白いことがわかります。実は、テキサスバーガーのヒットを待つまでもなく、マクドナルドは、昨年の7月を底にV字回復の動きが始まっていたということです。そのことを、既存店の対前年客数比の推移が物語っています。

マクドナルドの既存店の客数と売上高の対前年比推移をグラフ化してみました。客単価を混ぜると見づらくなるので、二つに絞ってみたのですが、まず分かることは、昨年の6月までは客数減の傾向があったということです。
一昨年は、穀物の高騰があり8月に価格改定を行ったこと、また年末にクオーターパウンダーがヒットしたために売上は伸ばせたのですが、客数が伸び悩み、対前年割れもこの間に起こし始めてきていました。売上だけを見ているとわかりませんが、あきらかに黄色信号の点滅状態にありました。

マクドナルド


しかし、昨年「NIPPON ALL STARS」で復活シリーズのキャンペーンを開始し、さらに時間限定の「プレミアムローストコーヒー無料キャンペーン」を打ち出したあたりから、この状況が一転します。11月、12月は売上では、前年がクォーターパウンダー効果があったため、さすがに前年割れでしたが、客数は見事に伸びてきたことがわかります。マクドナルドの快進撃は、なにもテキサスバーガーヒットだけで生まれたのではないということです。

さて、マクドナルドのマーケティングを見ていると、実にきめ細かいということ、しかも商品やセットメニュー、価格、プロモーションをうまくミックスして展開していることがわかり、またいくつかの鍵になる戦略が浮き上がってきます。

1 期間限定とプロモーションによる旬と変化づくり
子供に向けたハッピーセットはほぼ毎月、新しいメニューやプレミアム企画がでています。さらに期間限定商品もほぼ毎月継続しています。さらに昨年は、任天堂DSの無料ダウンロードも加わりました。そこに、期間限定をさらに強化する「NIPPON ALL STARS」、つづいて「BigAmerica」のキャンペーンが展開され、つねに変化をつくりだすマーケティングが行われていることです。

2 低価格と高価格のたくみなミックス
クォータータパウンダーなどの高額メニューは、各単価を上げますが、かならずしも客数増にはつながりません。それと100円マックなどに加え、昨年は1000円ドライブセットも投入され、高価格メニューと低価格メニューやセットを巧みにミックスすることで、客単価の維持と客数アップのバランスをとっています。

3 「かざすクーポン導入」によるクーポン戦略の進化
クーポンといえばマクドナルドのお家芸のひとつですが、リピートの促進につながります。今でも「福めくりポテト」の100円マック無料などの小ワザも効かせていますが、昨年のおサイフケータイの機能を活用したクーポンサービスの導入は、クーポンを価格プロモーションから、マクドナルドのマーケティング進化のしくみに一変させた可能性が高いのです。
オサイフケータイは、顧客のIDが特定できます。つまり、どのような顧客が、どの商品やセット、またキャンペーンに反応したかを分析できるようになったということです。それは仮説と検証、修正というPDCAのサイクルを回すことの強化につながったはずです。

4 小さく数を打って、成功すれば拡大する
期間限定商品のレギュラー化もそうですが、無料コーヒーキャンペーン、あるいはランチセットなど、期間や対象店を絞って展開し、成功すれば拡大してくるということが多いというのもマクドナルドの特徴です。なにがあたるか、採算性がどうかなどは最初の計画通りにいくとは限りません。マーケティングには、「狙え、撃て」というやりかたと、「撃て、狙え」というスタイルがありますが、うまくミックスしてやっていることがわかります。
BigAmericaでやっているツイッターを使ったマーケティングもまだまだ大きなプロモーションにはならないとしても、積極的に試みているのもそのあらわれだと感じます。

5 キャンペーンの大型化と進化
また注目すべきは、「NIPPON ALL STARS」「BigAmerica」と連続して大型キャンペーンを展開してきました。これはマクドナルドに変化と焦点をつくることにつながりました。しかも注目したいのは、キャンペーンの質的変化です。あきらかに、時期を追うごとに焦点が定まってきました。わかりやすくなってきたということです。
「日本バラ色計画」は意図がよくわからなかったし、「NIPPON ALL STARS」で全国のマクドナルドの店を巡回するジョームスさんが「タマランデス」と言っても、なにのことか「ワカランデス」と言いたくなったこともありましたが、「BigAmerica」キャンペーンでは、商品にしっかり焦点があたってきました。

24時間店の拡大など、他にも好調の要因はあると思いますが、重要なことは、価格破壊や商品のヒットだけに頼っての快進撃ではないいということです。

それよりも、もっとも重要だと思うのは、マクドナルドのマーケティングを観察していると、さまざまな仮説をつくって、実験を行い、それを検証しながら軌道修正をおこなう、また成功すればさらに拡大するというマネジメントを行っていることがうかがえます。
現代は過去の成功の法則がかならずしも効くとは限りません、またなにが効果があるのかの回答も見えずらい時代になってきています。そんな不透明な時代だからこそ、マーケティングマネジメントをマクドナルドはしっかりやっていて、それこそが成功の本質になっていると思えるのです。

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