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業態の盛衰 現代流通の激流業態の盛衰 現代流通の激流
著者:田村 正紀
販売元:千倉書房
発売日:2008-12-10
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有楽町の西武百貨店、京都の阪急百貨店と相次いで閉鎖が発表されました。これまでも地方各地での百貨店閉鎖だけでなく、心斎橋そごうなど店舗の閉鎖が続いていましたが、有楽町にしても、京都の河原町にしても、いずれも立地は申し分のないだけに波紋が大きかったものと思います。

百貨店の経営危機は今にはじまったことではありませんが、いよいよこの不況が百貨店の衰退を加速しはじめたということでしょう。
百貨店に限らず、小売業そのものが、1996年の小売業全体の売上高146.3兆円をピークに、縮小傾向を辿ってきたわけですが、それ以降は業態間の大競争時代に突入しています。地方では、大型のショッピングセンターに立地の優位性を奪われ、さらに昨今は、ファストファッションや、アウトレットストア、ネット通販の台頭など、新規プレイヤーは増えてきており、競争力を失った業態、経営効率の悪い業態から脱落するという構図が見えてきます。
今回の有楽町西武も、お隣の阪急よりも売上高は大きかったのですが、阪急よりも賃料が高かったために、採算がとれなくなってしまったということです。

百貨店も、経営効率を改善するために、百貨店同士の合併を行い改革を進めてきたのですが、確かに効率化は進んだものの、収益の頼みの綱であったブランドブームが去り、高級品が売れなくなったことで、経営効率の悪化にまた歯止めが効かなくなってしまいました。

しかも稼げている店は人口百万以上の大都市で、好立地の店舗に限られ、その一部の超優良店におんぶにだっこ状態ですから、不採算店を閉鎖するという流れはまだまだ続いていくのでしょう。
この状況を考えると、これまでの経営統合は、強い百貨店と弱い百貨店の統合ということでしたが、そろそろ強者連合という第二弾の経営統合が進みだすのは必然です。眦膕阿蛤綉淺寛濺垢鮖渦爾忙つエイチ・ツー・オー リテイリングは統合に向けて提携しましたが、それだけでなく、たとえば、三越・伊勢丹と大丸・松坂屋のJフロントが統合すれば百貨店の景色も少しは変わってきます。

そういったなかで、衣料品のPBに注力するという動きが始まってきていますが、まだまだスタートしたばかりで、まだ成果は見えてきません。
PBで、価格を抑え、売上を伸ばし、また利益率をあげようということですが、衣料品では、ファストファッションに限らず、メーカーもすでに製造小売へとビジネスモデルの転換を済ませており、そうそう思い通りになるとは限りません。

百貨店は、もはやカテゴリーごとの商品の集積度では、優位性を失ってきました。総合という呪縛のために、商品は多くとも、実際に欲しいものを探すと、品揃えの薄さに失望することが増えてきたようにも感じます。情報の発信力ということでは、ネットにも勝てそうにありません。
それにやっと買う物を決めても、支払いまで待たされるというのは考えものだし、裾直しなどにも時間がかかり過ぎます。

商品の集積度で勝てない、情報の発信力でも勝てないとすれば、もっと違う切り口があってもいいのではないかと思えます。きっと、ものを売るスペースという視点とは違うところからの見直しが必要になってきているのではないかと思えます。鍵は、いかにお客さまが百貨店で過ごす楽しみを増やすか、つまり滞在時間当たりでの満足度をあげるビジネスを白紙から考えるということでしょうし、他の業態とは違う体験をどうつくっていくかだと思います。そういった大変革を行うには強いリーダーシップが必要になってくるのでしょうが、果たしてそんなリーダーがあらわれてくるのでしょうか。

それにしても、改善ではなく根本的に業態を変えよう、イノベーションを起こそうという動きがもっとあってもいいと思うのですが、自らを変えるというのは、なかなか難しいことのようですね。

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