人気ブログランキングへ

iPadが話題になっています。ネットやTwitterでは高い関心が持つ人が多く、また新しいデバイスとして期待するむきも多いようです。iPodで大成功し、またiPhoneでも成功させてきたアップル、とくにカリスマであるスチーブ・ジョブスへの信頼もあって、このiPadへの期待感が膨らむのも当然です。しかも、このiPadは、健康不安を抱えたジョブスのおそらく最後の賭けであり、ジョブスもその覚悟をもって望んでいるという気がします。

iPadが機能的に優れていることは、多くの人達が語っていますが、おそらくそうでしょう。しかし、マーケティングの視点で見ると、かなり大きな賭けにでたなという印象を受けます。それは、可能性は感じるけれど、iPadに立ちはだかり、クリアしなければならない壁も同時に感じるからです。それは次の三つの点です。

第一に、iPodやiPhoneは、伸びてきた市場を見事にとらえ、波に乗り、風に乗って成功しましたが、iPadの場合は、まだ電子書籍リーダーとして位置づけると、電子書籍市場がスタートしたばかりで見えておらず、自らも市場を創造していかなければならないということです。

iPodの場合は、それまでMP3で揺らぎはじめ、市場が切り開かれてきたタイミングで、手のひらにアルバム全てを収めることができるという差別化を行い、競争相手を駆逐し、さらにiTuneとStoreで音楽の入手から視聴までをつなぐビジネスモデルを確立して、顧客を囲い込むことに成功しました。
iPhoneも、携帯電話の市場は買い替えサイクルが短い市場で、携帯電話の次世代ともいえるスマートフォンで差別化を行い、買い替え需要を見事にとらえました。そういった状況とは異なるということです。

第二に、ジョブスはiPadはたんなる電子書籍リーダーではない、鞄で持ち運べるマルチメディアの新しいツールだとし、それに賛同する人も多いのですが、これがクセモノです。
すでに、マルチメディアのデバイスとしては、ゲーム機、モバイルPC、ネットブックなどと競合してきます。それを捨てさせなければなりません。

第三に、いくらマルティメディアだと言っても、購入の決定的な動機をつくり、促進する魅力が必要になってきます。それをつくるのは何か、これまでの機器では体験できなかった世界が広がるのは何かというと、やはり電子書籍に落ち着いてきます。だから多くの記事で、マルチメディアのための機器というよりは電子書籍リーダーとして紹介されているのも自然なことです。

このiPadが成功するかどうかの鍵を握っているのは、電子書籍の市場をどれぐらいの速度で伸ばせるかということに尽きる、またアマゾンのKindleや、バーンズ&ノーブルのNOOK、ソニーに加え、ウォルマートまで参戦してきた電子書籍の市場を制することができるかどうか、あるいは存在感のあるポジションを握ることができるかどうかにかかっているだろうということです。

低価格でモノクロであるKindleは読書好きな人、iPadはカラー表示で、雑誌などを読むというか見る書籍のライトユーザーで分かれるという見方もあるようですが、どうでしょうね。それでは電子書籍市場のニッチなカテゴリーしか抑えられないということになります。

焦点は、ストアがどれだけ魅力ある書籍をどれだけ数多く配信出来るのにかかっているのでしょうが、それがどうなるのかはまだ詳細が発表されていないのでわかりません。またアマゾンは、電子書籍が普及することに徹しており、PCでも配信された書籍が読めるソフトを提供していますが、さてアップルもそうしてくるのでしょうか。どんなサプライズを準備しているのでしょうか。

書籍のコンテンツを確保し、電子書籍を普及させる速度と、機器を売りさばく速度と同期させるというのは、ほんとうに難しいマーケティングだと思います。そうでなければ、アップルの根強いファンにしか売れない、あるいはこういった機器が好きだという人にしか売れないニッチなものになってしまします。
ただ言えることは、電子書籍リーダーとして成功すれば、マルチメディアであることが大きな差別化になってくることは間違いないでしょう。ジョブスのことですからこのあたりのことは十分にわかっていて賭けに出たということだと思います。

さて、このiPadの参入で、電子書籍への関心はさらに高まってくると思います。アマゾンが、印税率を70%にするという発表を行っていました。出版業界を揺るがす衝撃的な条件のように感じますが、実際は紙で書籍の出版していることが前提となっており、どちらかというとまだ出版業界の参加を促すためのものです。しかし、やがて電子書籍が普及してくると、出版の世界を衝撃的に破壊するような変化が起こってくることは避けられません。
この創造的破壊とも言えるイノベーションは、誰もが出版できるという時代を切り開きます。そんな時代の波に、出版業界、あるいは雑誌社、新聞社がどう適応していくのかも気になるところです。

応援クリックよろしくお願いします
人気ブログランキングへ

営業力パワーアップツール
「アクションコックピット」の詳細はこちらへ

アクションコックピット