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昨年は、9兆円を超える損失を被った厚生年金の市場運用でしたが、本年にはいって、海外での株価上昇によって運用益がではじめてきています。報道があったでしょうか。ちょっと気がつきませんでした。
第2四半期運用状況(PDF)

話は変わりますが、この一年は、人びとの景気の先行き不安や、どうすれば不況やデフレから脱却できるへの関心も高かったこともあって、経済政策をめぐる議論が活発でした。ただ、なかには、マスコミというか、ジャーナリストによっては、ただヒステリックに危機を煽るだけというノイズも目立っていたようにも感じます。

需給ギャップを埋める思い切った財政出動が必要だ、財政出動では潜在成長力を高めることができず規制緩和を進めることだ、あるいは金融緩和によるインフレ誘導することこそが経済を立て直すというのまでいろいろあって、それぞれ、すれ違ってはいるものの、これほど経済が話題になったことはかつてなかったと思います。
経済がグローバル化し、さらに複雑化し、重要性を増してきていだけに、こういった議論はますますホットになってくるのでしょう。やっとデフレだと言うコンセンサスができたことは成果でしょうか。ビジネス現場での感覚よりはかなり遅かったという感は否めませんが。

経済学は仮説であって、その仮説を試すことができない、試して見ても検証することは決して容易ではないというのは、献本頂いた「金融恐慌とユダヤ・キリスト教」にありましたが、経済をめぐる議論も、ともすれば神学論争みたいに感じることがあり、そろそろもうすこし、具体的な問題で、どうすれば政策成果がでそうかというところでの議論に移っていくのではないでしょうか。

金融恐慌とユダヤ・キリスト教 (文春新書)金融恐慌とユダヤ・キリスト教 (文春新書)
著者:島田 裕巳
販売元:文藝春秋
発売日:2009-12-15
おすすめ度:4.5
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「金融恐慌とユダヤ・キリスト教」は面白く読ませていただきましたが、筆者の島田教授は、オウムが問題になりはじめたころに、たびたびマスコミにでていらっしゃった宗教学者の方ですが、最近は経済に関心が高いようですね。
なぜ金融破綻させた張本人達がとんでもない高給をとりつづけたかという、ちょっと日本人では理解できない彼らの価値観の違いからはじまって、いかに「経済」が根っこのところで「宗教」に影響されてきたかをまとめた一冊です。

さて政党で言えば、需給ギャップを埋めるためには思い切った財政出動をというのは、国民新党やみんなの党、社民党もそうでしょうか。ほどほどのところで、財政規律と財政出動を両睨みでというのは民主党と自民党も同じ。どこに使うかは違うでしょうが基本的なスタンスは同じです。だから自民党の谷垣総裁が与党の予算に関して、中味の批判よりは、経済対策が半年遅れたというタイミングの批判に重点を置いた発言となっていましたが、ちょっと対抗するには迫力が不足しています。

いや財政出動よりは、今こそ規制緩和と法人税減税だ、それで供給サイドを立て直し、新規市場の創出と経済の活性化をやるべきと正面切って議論を提起する政党は、今のところあまりないのがちょっともの足らないところです。

民主党が、「公共事業・財政頼み」、「行き過ぎた市場原理主義」から、「需要創造型経済」への転換を掲げたようですが、どのような政策をとるにしても、供給サイドの活性化、つまり新しいアイデアや事業がどんどん生まれ、競争によって活性化するしかけが必要なります。そのためにどのような規制と規制緩和をミックスして誘導していくのかは避けて通れなくなるはずです。

それと、新しい分野も結構ですが、今ある産業競争力をどうすれば高めることができるのか、競争力再構築の戦略をどう描き、追求するかのほうも負けず劣らず重要かと感じます。
かつて、アメリカは、なぜ日本企業にことごとく負けたのかを研究し、ベストプラクティスという旗のもとに日本の経営を徹底的に研究し、競争力の再構築をはかりました。そろそろ日本は、なぜ技術は勝っても、ビジネスで負けてきているのかの共通認識がもっと広がってもいいのじゃないかと思えます。経営学の分野では、すでにかなり研究されてきているので、あとはどのように経営を変えればいいかという現実的な経営刷新のプログラムが生まれてくることでしょうか。
来年は、経済も緩やかでしょうが、すこしづつ回復してくると思えるので、そろそろ、どうビジネスを進化させ、競争力を再構築するかという動きが生まれてくればいいですね。政府がどのように関与できるのかは、いまのところノーアイデアですが、官民で旗を揚げることからはじまるのではないでしょうか。

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