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六甲山に登ると、ポートアイランド沖に神戸空港が見え、また和歌山方面には関空を望むことができます。この両空港は、鉄道や大阪港に沿って伸びている阪神高速道路湾岸線を車やバスでは結構遠いのですが、海上ではずいぶん近くに立地していることがわかります。さらに伊丹を加えた3空港体制は、地元からみてもその必要性も疑問だし、路線が分散しているだけではないかとなにか釈然としないものを感じます。

昨日の事業仕分けでは、関空問題が取り上げられ関空への補給金を凍結するという話になりました。関空は、1兆円を超える有利子負債を抱えているため、国から毎年160億円を受け取ってなんとか、発着料を下げ、また維持できているのが現状ですが、まずは、官民で3空港の一元化をはかれ、それが復活条件だと言うことです。いかにも正論です。
補給金が絶たれると、関空の経営は破綻の危機を迎えます。それで困るのは誰かということです。困る人がまず結論をだすべきでしょう。

この事業仕分けの指摘は、どこかで決着をつける必要があるのですが、それぞれの地元の思惑があって、なかなか一元化の具体的な動きが進んできませんでした。イエローカードを出すのは時間の問題だと思います。

そもそもが関空は、当初の需要予測が大きく外れているのですが、これまでの高速道路、新幹線、各地の空港の需要予測の前科からすれば、つくることを前提とした数字づくりがあったという誹りは免れないでしょうし、ビジネス社会と違って、誰も責任をとらないのだから、まあ適当な数字を出しておけとなるのでしょう。

それに、空港さえできれば、経済もよくなるという根拠のない楽観主義があったのでしょう。関西に限らず、地方の空港、高速道路、新幹線も同じ発想です。そんな楽観主義が、結局は、設備の過剰と巨額の借金となり、経済効果も生まれないという悪循環を生み出してきました。

兵庫の井戸知事は反対の意向で、大阪の橋下知事は、それぐらいのカンフル剤がなければ、3空港の一元化が進まないと事業仕分けの結論を歓迎するというコメントだそうですが、税金を投入する以上、国民の合意が重要であり、問題の先送りでは国民の納得が得られません。関西の経済界もそろそろ結論をだすべきじゃないでしょうか。いくら事業仕分けで補給金を止めるといっても、実際には止められまいという甘えはやめるべきです。

利便性から言えば、圧倒的に伊丹、ついで神戸。おそらく拡張性では神戸。24時間つかえるのは関空。神戸も使おうとすれば使えるのでしょうか。
もともとは伊丹廃港のシナリオだったと思いますが、利便性が良く、伊丹は数少ない黒字の空港です。さあ、そのパズルをどう解くのでしょうか。

関空を倒産させて、いっそ沖縄の基地を関空にもってくればという奇想天外な案までありますが、これを機会に、あらゆる可能性,、とくに関西経済のポジショニングや将来ビジョンも含めて考えて見ればと思います。

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