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食糧自給率を上げなければならない、自前で食糧ができなければ、国家の安全にもかかわる、そういう話がいつの間にか当然の話として論じられています。本当にそうなのでしょうか。
実はかなり怪しいのです。おそらく政治家は疑問を投げかけると、農村票を失いかねないので口にしないだけでしょうが、以前書いたように、政府が発表している食糧自給率は、カロリーベースで、そんな計算をしているのは日本と韓国だけです。

だから、和牛であっても、国内でほとんど生産されている鶏卵も、輸入飼料を使っているので、極端に自給率は低くなってしまいます。たとえば鶏卵は、96%が国内で生産されていますが、カロリーベースで計算すると10%を切っていることになっています。輸入の多い牛肉でも、国内で4割程度が生産されていますが、カロリーベースでは1割程度の自給率になってしまいます。
問題はだから飼料です。飼料を輸入している限り、自給率アップには無理があります。だから、いざと言うときには減反政策で余っている休眠地で飼料を耕作するだけでも、自給率は大きく改善します。自民党の石破さんはこの点も言及されていました。

カロリーベースではなく、生産額でみると、食糧自給率では70%にもなり、主食の自給率も60%にもなります。つまりカロリーベースだけで自給率を発表するというのは、そこになんらかの政治的な意図があるとしか考えられません。本来なら、マスコミは、そういった食糧自給率の罠をしっかり報道する責任があるはずなのですが、無批判にカロリーベースの数字をあげているのが現状ですが、久しぶりに産経が食糧自給率にかんするいい記事を載せていました。
贅沢と浪費の日本、「食料自給率41%」は低いのか?

それによると、たとえカロリーベースで計算しても、日本の食糧自給率で分母にしているのは、贅沢と飽食の現状を考えているけれど、国家の安全ということでは、贅沢と飽食を前提として考えるべきでないので、平均的な必要な熱量である一人2000キロカロリーに分母を置き換えるべきで、それだけでも食料自給率は50.6%となるそうです。
自給率よりは、どんどん税金が生産が非効率な兼業農家にまで投入されていること、さらに流通経路の長く、物流費も高い、廃棄される食糧が多いことなどで、消費者が高い食品を買わされていることのほうがよほどか、現実的な問題であり、前向きな解決策もでてくると思います。

海外からの食糧輸入に対して国民が不安視しているというのも、おそらく食糧の自給率の問題だけでなく、安全性に対する不安があるからではないでしょうか。それも解決するのは方法はあります。

民主党の個別農家への保証という話も、もともとは、FTA(自由貿易協定)を結ぶための障害となっている農業問題の解決のためであったほずで、それならつねにセットで議論しないと問題が変なところに行ってしまいます。
日米FTAについて民主党の七転八倒(極東ブログ)

日本の輸出を伸ばしたいのなら、FTA(自由貿易協定)を締結することがなによりも経済対策になるのじゃないでしょうか。はっきりしているのは、農業にいくら力を入れても経済はよくならないということです。
また、財政出動による経済対策を主張している野党の議員の人がいまだにいますが、バブル崩壊以降に、財政出動で景気が良くなったことはありません。財政出動して、ハコモノをつくることが経済対策になると思っているのでしょうが、本当に懲りない人たちですね。

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