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温暖化ガス排出25%削減という目標の是非はよくわかりませんが、温暖化ガス対策が、日本の成長戦略と外交取引の鍵を握っているものと思います。
しかし、なぜか現状を前提とした旧政府の試算が一人歩きしているのですが、そのなかにエネルギー構造の大きな変化、とくにイノベーションに関しての議論があまり触れられていないのは、やはり官僚仕事だと感じます。
二酸化炭素が地球温暖化の原因かどうかなのかは、よくわからないとしても、脱化石燃料は、資源を海外に依存する日本としては、極めて重要な課題であり、名目が温暖化対策だとしても、それはそれで良いのじゃないかと思っています。

さて、二酸化炭素削減というとなぜか太陽光発電の話ばかりで、
原子力発電についてはあまり取り上げられていないのが不思議です。原子力には蓋をしておくということでしょうか。
二酸化炭素排出量と言うことでは、LPGや石油などの火力発電と比べると、90%以上削減できるので、その効果は大きいはずです。ちなみに日本の原子力による発電量は、およそ30%ぐらいで、まだ原子力を活用する余地はあります。

ただ原子力発電も、問題がないわけではありません。技術的な問題はよくわかりませんが、もっとも問題なのは、自衛隊の扱いと同じで、情報公開を行い、国民の合意をきちんととるというよりは、不都合な事実は隠蔽してしまうという体質をつくってしまったことだと思います。
もちろん55年体制で、東西対立のなかで、資本主義、自由主義を守る、社会党や共産党を牽制するために、火種となりそうなことを隠そうとしたという事情はわかりますが、東西冷戦が終わってからも、そんな体質を、政治も官僚も引きずってきた、それが今は逆にツケとして負の遺産となりはじめているのでしょうか。

原子力発電は事故があるとわかりますが、自衛隊については、たまにネットでの情報漏洩で問題が発覚するだけですが、高齢化問題など、装備はアジアでは突出していても、本当に戦力として機能するのかは疑問に感じることもありますね。

さて、原子力発電に詳しいというと、おつきあいしているなかでは、なんといっても映画「ミッドナイトイーグル」の原作者である高嶋哲夫さんです。もともとは原子力発電の技術の研究者だったかたですから、よくご存じです。
その高嶋さんは、「イントゥルーダー」で第16回サントリー・ミステリー大賞の「大賞」「読者賞」ダブル受賞をとられました。この「イントゥルーダー」ですが、新潟県の新潟県中越沖地震でおこった東京電力柏崎刈羽原子力発電所事故で、もともと断層の上に建設された発電所であったことが発覚したわけですが、それを予知していたかのような作品なので、ぜひご一読されることをオススメします。

高嶋哲夫オフィシャルホームページ

イントゥルーダー (文春文庫)イントゥルーダー (文春文庫)
著者:高嶋 哲夫
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自衛隊も、原子力もタブー扱い、腫れ物に触るということからそろそろ卒業しないと建設的な議論ができません。温暖化ガス排出25%の是非を議論するというよりは、原子力発電を含めた削減のシナリオをみんなで考えることが、日本の成長戦略のはじまりになるかもしれませんよ。

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