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マイクロソフトとYahoo!が検索エンジンで提携するというニュースがでていました。マイクロソフトのBingをYahoo!検索で使うということですが、もうひとつピンときませんね。

日本ではYahoo!が検索エンジンでトップの座を守っていますが、欧米ではGoogleの独走態勢がつづき、どんどんシェアの差が開いてきているのが実情です。
アメリカを例に見ると、5年前にはYahoo!とGoogleがともに30%台のシェアで競い合っていました。しかし、その後Googleのシェアがどんどん伸び、直近では、Googelのシェアは65%。一方のYahoo!は、シェアを落としつづけて20%程度となり、いまや3倍以上の差がついてしまっています。マイクロソフトと合わせても、5年前にあった30%のシェアに達しません。
ちなみにイギリスではGoogleのシェアが75%近くあり、ドイツではほぼ80%となっています。英語圏であるインドでもGoogleのシェアは80%と独占状態です。
もう十分に独占禁止法にひっかかってもよさそうな状態ですが、検索エンジンで独占禁止法の適応は難しいのでしょうか。

マイクロソフトが新しい検索エンジンBingをリリ−スして、検索エンジンのてこ入れを狙ったのですが、結局は改善程度の効果しかなく、Googleの独走を崩すどころか、シェアを落としたのはYahoo!でした。
弱いところにしわ寄せが行く、それが市場での力関係の冷徹な現実です。まるでシェアの力学の教科書を見せつけられているように感じます。つまり市場のリーダーとしてのGoogleは、すでに黙っていてもシェアが伸びる、あるいは維持できるポジションに達したということでしょう。

今回の提携は、これ以上シェアを落とすと厳しいと感じたYahoo!が、マイクロソフトにすり寄った、そしてマイクロソフトは、このままでは、インターネット・ビジネスの将来をGoogleに握られてしまうという危機意識があって提携したということでしょうか。市場の反応も冷たくYahoo!の株価が下がってしまいました。

さて、シェアということでは、クープマンの目標値というのをご存じですか。市場のシェアの差を近代の戦争の兵力の差に見立てたのがランチェスターの法則。その法則をもとに、シェアのレベルによって、市場での地位に格の違いがあるとした人ですが、その考え方は、かなり実感に近いものがあります。
独占的市場シェア」が73.9%、「安定的トップシェア」41.7%、「市場影響シェア」26.1%、「並列的競争シェア」19.3%、「市場認知シェア」10.9%、「市場存在シェア」6.8%というものですが、そのクープマンの目標値でいけば、マイクロソフトのシェアは「市場存在シェア」と「市場認知シェア」の中間です。つまり、存在は許され、認知もされるだけの力をもつシェアではあっても、市場への影響力はほとんどないということになります。
日本のYahoo!は別にして、海外でのYahoo!は、ちょうど「並列的競争シェア」のあたりであり、弱者と強者を分ける「市場影響シェア」を割ってしまっています。つまり、すでに独占的市場シェアに近づいているGoogleとは体格も体力も違いが大きすぎ、また下位のチャレンジャーからもっとも狙い撃ちされやすい、あるいはその影響を受けやすい立場といえます。

実際のマーケティング現場にいるとシェアの違いによる市場での力関係の差はいやというほど思い知らされるものですが、今回の提携は、Googleとの決定的な違いがだせないBingで、弱いもの同士がただくっついただけということになります。それでは面白くありません。

正攻法で考えるのなら、利用するユーザーを絞るなり、検索目的を絞るなり、なんらかの特徴で特化する、あるいこれまでにない視点で、検索エンジンの新しいポジションをつくることでしょうね。いずれにしても、市場でのガリバーと同じ土俵で勝負するのは賢明ではありません。

地域でセグメントするということも考えられますが、インターネット人口の最も多い、中国では「百度」が圧倒的な存在であり、韓国も「NAVER」が押さえています。日本はYahoo!がトップなので、日本でのシェアを上げていく程度しか打つ手が残りません。
それよりは、女性、ティーン、あるいは高齢者のいずれかに絞ったアプローチをとるか、Googleでは埋もれてしまっている検索目的を発掘して、そこに特化したもの連合軍でつくりあげたほうがおそらく魅力的なものになりそうです。もうそろそろ万能の検索エンジンの時代でもないような気がします。
いずれにしても、使い勝手が良くなった普通の検索エンジンという程度で、Googleと競うというのでは最初から勝負はついてしまっています。検索エンジンでマイクロソフトとYahoo!が提携して、Yahoo!のシェアがマイクロソフトから奪われることは防げても、やがて、1+1=1というあたりに落ち着いてしまいそうです。


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