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全脳思考全脳思考
著者:神田 昌典
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2009-06-12
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献本ありがとうございました。ネットでもよく登場されている神田昌典さんの『全脳思考』です。おそらくコピペでしかない企画書、理屈だけでリアリティを失ってしまった「マーケティング」に飽き飽きし、アレルギーを感じている人には目から鱗の一冊かもしれません。

時代は確実に違うステージに向かっていると感じている人は多いと思います。そんななかで、さまざまな発想や手法が行き詰まりはじめているというのも現実です。
最も大きな変化は情報化社会の成熟です。おそらく金融バブルが情報化社会の最後のあだ花であり、それが破綻してしまいました。筆者は、今私たちが向かっているのは、「知識社会」と述べていらっしゃいますが、「新しいこと」、人びとにとって「意味のあること」を創造する時代だとすると、「意味創造」社会がやってきていると言ってもいいのかもしれません。

筆者も触れていらっしゃいますが、その宣言みたいな本が2006年にでています。大前研一さんが翻訳したダニエル・ピンクの『 ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』です。
このなかで、「6つの感性(センス)」を磨く必要性が説かれていますが、「機能」よりは「デザイン」、「議論」よりは「物語」、「個別」よりも「全体の調和」、「論理」ではなく「共感」、「まじめ」だけでなく「遊び心」、「モノ」よりも「生きがい」です。そしてもっとも重要なのが、詳細を分析する左脳だけでなく、「大きな全体像」を一瞬にとらえる右脳ももっと使えということでしょう。だから「全脳思考」ということになります。

おそらく今日のマーケティングで、もっとも求められてきていることだと思いますが、こういった能力はいくら大学院にいってMBAの資格を取ったとしても得られるとは限りません。これから求められる人材は、MBA(経営学修士)ではなく、MFA(美術学修士)とも言われはじめているひとつの理由です。

しかし、ダニエル・ピンクの「ハイコンセプト」では、それはその通りだと納得させてくれるし、いろいろ感性を磨くためのヒントは示してくれているのですが、ではどうすれば「全脳思考」ができるのか、とくに個人と言うよりは、組織で「全脳思考」するためにはなんらかの「ガイドライン」が必要になってきますが、それを見せてくれているのが神田昌典さんの「全脳思考」です。

そのひとつの「方法」をして、MITスローン校上級講師シャーマ氏が体系化した「U理論」が紹介されています。これは面白いと思いました。
浅い認識のままでは、ありきたりなアイデアしかでてきませんが、より深い認識を行い、本質的な問題に触れるまでに4段階があるというものです。しかも、重要なことはそれぞれの思考の際の視点の位置を考えるということでしょう。

これは、マーケティング現場で、事実はなにを物語っているかと考えたり、顧客目線に立ってみたらどう見えるか、どうすれば共感され喜んでいただけるか、いいアイデアには「まさか、なるほど」という飛躍があるといったマーケティングの実践のなかで得られる知恵に近いものを感じます。

また右脳も駆使して創造的に考えるという点では、イメージを駆使し、また手がかりとして思考を深めていくCPS(クリエイティブ・プロブレム・ソルビング)も面白く、創造的なアイデアを生み出すいい「方法」だと感じました。行き詰まったらやってみる価値はありそうです。
「全脳思考」で検索すると、実際の公式サイトよりも、この本を期待するブログのほうがどんどんでてきて、前評判もかなりよさそうです。
分厚く、およそ460ページもあり力作ですが、読みやすく、いつの間にか神田さんの世界に引きずりこまれ魅了される一冊でした。


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