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同じ見方をしている方がいらっしゃいました。さすがに広告業界に長く活躍していらっしゃって切り込み方がいつも面白い天野祐吉さんです。新型インフルエンについての政府広報のCMのお話です。天野さんは、いろいろ配慮されて、あのCMは麻生さんの肉声が届かないから、「もったいない」とおっしゃっています。
もったいない [ことばの元気学]

すこし突っ込んで言えば、あの映像と肉声を感じないメッセージは、麻生ブランドにとって、もったいないどころかイメージダウンさせるCMだという気がします。イメージが暗いのです。

暗いと言えば、新型インフルエンザのCMだけでなく、麻生さんの表情が、小沢さんの辞任劇当たりから突然暗くなりました。難題が続いているからでしょうか。いや野党批判をやりすぎたからだと思えます。小沢問題にこだわりすぎたということでしょう。
そういえば、この前、石原さんも麻生さんと同じように、小沢さんの問題をまたやっていたけれど、現在のところは自民党はトップブランドであり、トップブランドがセカンドブランド批判をすることは自らトップブランドの坐を危うくするということです。
それに、小沢問題が民主党に危機をもたらしたのは、民主党も自民党と同じじゃないかという国民の不信感、自民党の古い体質を嫌ってのことであり、自民党側から小沢さん批判をしすぎると、墓穴にはまります。
実際、企業献金では自民党が圧倒的に巨額であり、そんな大金を出すにはなにか理由があるという論理は天に唾です。また支出の透明化も積極的ではなかったのによく言うよとなってしまいます。やはり当事者だけで考えるから見えないのでしょうか。

もっと言いば、鳩山さんが民主党の代表になったときに、民主党批判を引き延ばすのではなく、鳩山さんに対して、おめでとう、これからしっかりお互い議論し合いましょう、議論して良い知恵を出し合って、日本の危機を、党派を超えてしっかり乗り越えていきましょうとでもおっしゃれば、さすがに大物だと麻生ブランドの人気はきっと急上昇したのではないでしょうか。
不安に駆られ、気分がめいっている人びとを安心させるのは元気さ、頼りがいを感じるメッセージです。

トップブランドは、セカンドブランドがなにか仕掛けたら、それをすばやく模倣してしまうという手がありますが、それで大成功したのが小泉さんでした。民主党の主張していた改革路線を我が政策として取り込み、結果としては民主党の鳩山さんからもエールを受けるという見事なトップブランドの戦略でした。

現在のセカンドブランドとしての民主党の切り札は、無駄の排除、官僚支配からの脱却なので、麻生さんも、それもそっくり模倣して徹底してやればいいのです。
その点では、公務員制度改革に熱心だった渡辺さんが党から離れても、大きなパワーとはならず、自民党としては一安心というところでしょうが、ボディブローのように自民党のイメージダウンにつながってきていることにも一刻も早く気づくべきではないかと他人事ながら考えてしまいます。

与党は、野党批判でなく、堂々と今後のビジョンや政策を語って欲しいものです。トップブランドは、日本の繁栄と人びとの信頼を築くことをひたすら求めればいいのであって、野党批判する与党では信頼を深めることはできません。ブランド戦略として間違い、しかも極めて初歩的なミスです。
政権交代を民主党が掲げるのなら、同じことが言え、いかに人びとに共感されるビジョンと政策を提示できるかに鍵は移ってきています。批判勢力のチャレンジャーでは政権交代は困難です。
イメージづくりが失敗している自民党ブランドは、総選挙は相当厳しいでしょうが、民主党に、なにか小沢さんの秘書逮捕に続く出来事が起こるのでしょうか。
外野席としては、与野党が切磋琢磨し、政治の質が高まってくれればいいので、どちらにも頑張ってガチンコ勝負をして欲しいところです。

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