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鈴木隆博さんという方の「消費者のスピードアップにどこまでついていけるのか」というコラムがITマネジメントにあって面白く読ませてもらいました。
「消費者のスピードアップにどこまでついていけるのか」

「ラカントS」というカロリーゼロの自然派甘味料に興味を持った著者が、10分後には、発売元であるサラヤ食品のホームページを検索(Search))し、さらにカロリーゼロ甘味料のの比較ページで理解を深め(Compare)、サラヤ食品のフリーダイヤルに電話(Action)。話し中でつながらないために、ホームページで紹介されていた雑誌『コレカラ』でサンプルを申し込んだ(Action)というお話で、最初に「ラカントS」の広告に目をとめてから15分程度で、行動に到達したスピードを強調し、「現代社会では、これぐらいの消費者行動のスピードに企業は追いついていかなければならないのだ」とおっしゃっています。
果たしてそうなのでしょうか。ふっと二つの疑問がよぎります。本当につねに日常のなかで消費者はそれほど変化へのスピードを求めているのだろうかというのが最初の疑問。
つぎに、「ラカントS」はきっとまだまだ認知なり、トライアルを作らないといけない段階の商品なので、そういったフリーダイヤルや雑誌での試供品の提供をやっているので、まだまだマスマーケットで展開できる規模を持っていないだけじゃないかという疑問です。

スピードを求める消費者に対応して、しかも利益がでるほどの量をさばくしくみは、アマゾンやアスクルなどが実現しているかもしれませんが、それなりにしくみをつくるためのコストがかかります。アマゾンにしても、アスクルにしても一朝一夕にできたシクミではありません。それは1アイテム、あるいはほんの数アイテムにすぎないモノとしての商品を提供しているメーカーが築くにはあまりにも高いハードルじゃないかと感じます。

さらに筆者は、「コバラピタリガム」というのを求めて、コンビニをチェックするのですが、サンクス以外は、どこのコンビニも競合のリカルデントから発売されている「スマートタイム」しかなかったから、「広告宣伝をしたのにその商品がお店に置いていないということは、マーケティングの世界では初歩的な失敗事例として教えられ」駄目だとおっしゃっています。
それはごく当たり前の話で、「ブランドとして二番手や三番手が話題をつくればつくるほど、トップブランドが売れる」という市場の現実を物語っているに過ぎません。
流通対策とか売り方の問題というよりも、もっと根本的なところで、一般の小売店にあまねく並ぶには、商品の差別化が弱かったというだけの話だと思います。
とくにコンビニを例にしておられますが、コンビニの棚という、売れ行きがPOSデータで日々検証され、より高い回転率を求めて変化する言ってみれば特等席です。そこに登場するにはまだブランドとして弱いということです。
「コバラピタリガム」のクラシエさんに限らず、そのカテゴリーでトップブランドにならなければ、いくら話題になっても店にないというのはいわばマーケティングの常識であって、その壁を突破できたブランドがブランドとして勝ち残るということです。最初から特等席を望むのではなく、むしろ、特等席でなくともしっかり販売拠点を築いていくのが王道でしょうね。

さて、マーケティングは、市場を細分化し、差別化した新商品をつぎつぎに出すことで、市場の成長をはかってきたのがこれまで。しかし、現実には、それらの膨大な商品が市場に溢れかえりました。それらの商品をすべて並べるだけの小売業の棚は物理的にもありません。
当然市場を小さく分けていけばいくほど、結果として売れる量は限られ、しだいに広告などのマーケティング投資にみあった成果がえられなくなりはじめているのが現実だということです。
また小さな違いをつくっても、それは売る手の自己満足かも知れません。限られた売り場を確保するという壁を越えることは容易ではありません。ほんとうに、新しいカテゴリーを作り出せるほど新しいコンセプトなのか、なにかイノベーションがあるのかということが厳しく問われはじめているのではないかということです。
おそらく世界中でしばらくはデフレが進んできます。スピードよりも、価格と釣り合うモノやサービスの価値を提供できるシクミづくりのほうが課題という時代に世の中は移ってくるのではないでしょうか。

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