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アメリカの食料品や日用品で、もっとも大きく、急成長しているブランドがあります。どこだと思われますか。コカコーラではありません。ウォルマートのプライベート・ブランド”Great Value”です。
アメリカの小売り業では、ひときわウォルマートの業績の快調さが目立っています。日本で一人勝ちといえばユニクロに焦点があたりますが、アメリカではウォルマート。一時期は、もうウォルマートの時代は終わりだろうという見方もありましたし、ウォルマートの安売りに対する根強い反感もあるとはいえ、今年になって、さらに景気後退が進む中で、二月に為替差損で国際部門は減収減益だったものの、米国本土では、増収増益街道をまっしぐらです。ウォルマートは、日本では西友を取得しましたが、西友のイメージとはかなり違いを感じます。
この勢いの鍵を握っているのが、ウォルマートが1993年に生まれたプライベート・ブランド”Great Value”の存在で、全米の4100店舗で5000アイテム以上が展開されている巨大ブランドです。しかも不況となって”Great Value”の売上が倍増したそうです。
ウォルマートのプライベート・ブランドというと、安かろう、悪かろうというイメージがつきまとうのですが、”Great Value”が相当な数の消費者調査を行って取り組んできたのは品質の向上で、大幅なリユーアルとアイテム拡張が進められてきているようです。安いだけでなく、自ら独自に商品を企画し、独自の品質基準をもって、ナショナルブランドと差別化する段階に入り始めたということでしょう。このまま”Great Value”の快進撃が続けば、プライベートブランドが、2012年には食料品や日用品の売上げの40%を占めるようになるだろうという観測すら流れています。
日本でも、ようやくプライベート・ブランドが消費者の支持を集めるようになり、昨年はヒット商品として注目されましたが、欧米に比べるとまだまだプライベート・ブランドでは遅れをとっており、ナショナル・ブランド主導の国で、商品の企画や開発は、ナショナルブランドのメーカーに依存しているものも多いというのが現実です。
しかし、アパレルやホームファッションのように、食料品や日用品の分野でもナショナル・ブランドがさほど強くないカテゴリーから、じわじわと製造小売りのビジネス・モデルが伸びてくるのは時間の問題だと感じます。ブランド・ロイヤルティの低いナショナル・ブランド、ブランド・パワーが弱いカテゴリーのメーカーにとっては、厳しい時代がやってきそうです。


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