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ホンダのブランドイメージに加え、ハイブリッドへの関心の高さ、また低価格を打ちだして、インサイトは好調な滑り出しです。実際2月の新車登録台数では、プリウスの4,524台を上回る4,906台となりました。プリウスのシェアをある程度浸食したという感じも受けますが、逆に新車発売を前にしても、なおかつプリウスが堅調であるともいえるかもしれません。
ハイブリッドへの関心の高さという点では、MarkeZine(マーケジン)が自動車を保有している20代〜50代男女を対象としたアンケートの結果を紹介していますが、ハイブリッドに関心を持つ人は、全回答者の9割に達しており、さらに関心のある人の内8割が、予定の有無は別にして、購入意向を示しています。
またどちらが好きかという質問に対しては、男性は圧倒的にプリウス、女性はプリウスが56.4%でインサイトが43.6%とプリウスに迫る人気となっています。しかし、全体結果ではやはりプリウスの人気が圧倒的に高いという結果です。
女性では「インサイト」人気が「プリウス」に迫る勢い【ハイブリッドカー徹底比較】


デザインは過剰な反省の結果?
しかし、どう見ても、デザインがプリウスに似ていることが気になるところです。小型プリウスという印象を受けてしまいます。プリウスで定着したハイブリッドのイメージを踏襲したのか、ちょっと理解に苦しむところです。
ホンダは、シビック・ハイブリッドで、ハイブリッドとしての存在感を示せず、鳴かず飛ばずだったという苦い経験を持っています。その反省からプリウスデザインが、ハイブリッドカーの象徴となっているという現実を踏まえ、プリウスのデザインイメージに似せたのかもしれません。
しかし冷静に考えると、原因はシビックというブランドのなかのひとつのバリエーションとしてハイブリッドカーを置いてしまったところにあったのではないかと思います。問題はブランディングの失敗にあったのではないでしょうか。レクサスもハイブリッドカーがありますが、レクサスのハイブリッドのイメージが弱いというのと同じです。
ハイブリッドカー「インサイト」としてブランドを打ち立てたことは正解ですが、もっとホンダ独自のデザインであって欲しかったものです。

価格競争に陥る?
さて、いよいよ5月からプリウスの現行品と新車が並行して発売されます。インサイトの登場で当初の予定価格より安く売られるようです。日本らしい競争パターンですが、プリウスが新車を売り出すと、インサイトの新車発売効果が薄れます。ちょっとインサイトにとっては厳しくなるという気がします。
もっと差別化なり、独自のポジションをつくりだす商品戦略なり、マーケティングが必要だったということになりそうだということです。このままでは、新車対新車のガチンコ勝負となり価格競争を引き起こします。プリウスの新車登場後は、インサイトの販売台数を伸ばそうとすると値引きも起こってくるのではないでしょうか。
新型プリウス、205万円程度から インサイトに対抗


競争は市場を拡大する
さて、インサイトが登場しまたプリウスの新車が登場することで、競争が起こり、自動車市場でのハイブリッドの存在感が増して、その結果市場が拡大していくものと思えます。
また自動車市場の今後の活性化にとってハイブリッドが鍵を握っていると思うだけに、プリウスだけでなく、インサイトも頑張って欲しいし、日産など他のメーカーの参入も期待したいところです。先進国の海外メーカーも同じく需要減の打撃を受けているために、ハイブリッドへの取り組みも停滞しているようで、国際競争で優位性をつくりだすという点でも、日本車同士の切磋琢磨が望まれます。
あのVOLVOも安全性というVOLVOの特長を犠牲にして、低価格で低燃費の新車を売り出すようですが、ちょっと訴求力が弱く、新しい感じがしません。

さて、低燃費のエコカーをコンセプトとしたハイブリッドカーは成長分野となっていくと思いますが、ハイブリッド車が増加するにつれ、ガソリン需要は下がっていきます。経済情勢を考えると、すぐさま影響を受けるほどのハイブリッドカーの普及は進まないでしょうが、じわじわとガソリンスタンドの経営がさらに厳しくなっていきそうです。コンビニを併設したり、コーヒーショップを併設すると言った新業態を模索するスタンドも増えてきましたが、今の内にサービスの多角化を進めたいところですが、まだ正解にたどり着いていないというのが現実ではないかと思います。


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