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毎年ビジネスウィーク誌で、インターブランド社が評価したグローバルブランドランキング上位100を発表していることはこのブログでも取り上げたことがあります。
そのインターブランド社が、その評価基準と同じ方法で、日本のグローバルブランド・ベスト30を発表しています。
1位トヨタから30位キッコーマンまで、世界基準で評価した「日本のブランド」ベスト30発表

対象となるのは、次の4つの条件を満たしていることだそうです。
(1)日本発のコーポレートブランドであること
(2)上場企業で各種財務情報が公表されていること
(3)2007年度実績の海外売上高比率が30%超であること
(4)BtoB企業であっても世界で一般に認知されていること(欧州、米国、アジアの3エリアで、インターブランドのコンサルタントの認知率が10%以上であること)

結果は、ブランドによっては、なるほどそうでしょうねというのと、ちょっと変だなと感覚的には感じるものがありますが、インターブランド社基準ということで、詳しい物さしは公表されていないので分かりません。

物さしの基準が公表されていないところは、ノウハウと考えているのか、怪しげだからかよく分かりませんが、物さしを持つことは重要です。ブランドの価値が重要であることはわかっていても、やはり、どの程度そのブランドの価値が向上したか、あるいは低下したかという物さしがなければ、経営のなかでのブランドに対する関心もあがりません。また打った手の効果がわからないために継続した手を打ちづらくなります。
そういったブランド力の測定と評価の方法が、このインターブランド社に限らずいろいろあり、また日本でも独自の評価方法が研究されているのですが、インターブランド社が、「財務力」「ブランドが購買意思決定に与える影響力」「ブランドによる将来収益の確かさ」という3つの観点で独自の評価方法をつくり、また「グロ−バル・ブランド」という切り口でランキングしたこと、またビジネスウィーク誌と組んで毎年発表するというマーケティングで、一躍存在感を増してきたように思います。

しかし、今回は「特定の国の企業を対象に、世界基準でブランドランキングを行ったのは今回が初めて」であり、その理由が「日本のブランドがもっと強くなれるように」ということだそうですが、日本市場を狙うインターブランド社の意図が色濃く出て、なかなか上手に切り込んでくるなあと感心します。
しかし同時にインターブランド社ですら、この不況は大変なのだろうなと感じてしまいます。だからブランディングに熱心でない日本を攻めようかということでしょうか。まあ、しばらくは、グローバル・ブランドで測定された企業は、輸出不振でブランドどころじゃないよという感じかも知れませんが。

まあ、こういったランキングは眺めて、いろいろ実感と照らし合わせてみるのも面白いのですが、国によってブランドを巡る環境は違うので、実際のマーケティングでは、それぞれの国のなか、日本であれば、日本でのブランド評価のほうが重要になってきます。
さらに、もっと細かな市場分野、その局地戦のなかで競い合うブランドがお互いどれぐらいブランドパワーを持っているのかのほうが実務的にははるかに重要になってきます。

また不況が続けば、ますますブランド淘汰の嵐は強くなってくることは避けられません。、生き残っていくことができるブランド・ポジションを探り、またどうつくっていくかが問われる時代になってきます。
あるいは、小売業のブランドのサプライヤーとして生き延びるという手もあるのかもしれませんが、その座席もそう簡単に手に入るわけでなく、厳しい時代になってきたなということでしょうね。


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